磁場そのものの理解が出来ていないと磁場関連の問題は一生解けるようになりません。
磁場を勉強していると中々イメージが出来なくて、勉強が詰まりますよね。
磁場の問題を解いても解けるようにならない、っていう高校生も多いです。
まず初めにやるべき事は根本的な定義を理解する事です。
だからこの記事では磁場の解説を図を多めに用いて視覚的にも理解できるようにしています。
最後に練習問題を用意してしっかりと磁場を理解できるようにしているので、是非とも最後まで読んで参考にして下さいね。
目次
磁場(磁界)とは?
磁場(磁界)の向き
磁石のN極とN極を近づけると反発し、S極とN極を近づけると引き付けあいます。
磁石を置くとこのような現象が起こりますが、この空間を磁界と言います。
さらに磁石の周りに方位磁針を置くと、図のような向きに方位磁針が向きます。
この時に方位磁針のN極の向く向きを磁場の向きとしています。
またそのN極とS極のことを磁極と言います。
磁気量とは
磁気量とは、磁石の極の強さをいい、単位を(ウェーバ)で定義しています。
これではイメージがしにくいですが、電気量に対応するものですね。
よく使う文字としてはを使います。
磁場(磁界)とは
磁界とは、の受ける磁気力のことで、単位はになります。
例えば、図のようにN極とS極で挟まれた空間にを置くと、右向きに力を受けます。
そして、その力がだとすると、その空間ではの磁場が働いている事になります。
電場との比較は次のようになります。
磁力線とは?
磁力線の定義と性質
磁力線とは、磁界の向きに沿って引いた線のことです。
この磁力線には次のような性質があります。
- 磁石のN極から湧き出て、S極へ流れ込みます
- ある点での磁力線の接線方向が磁場の向きになります
- 磁力線が密になっているところほど磁場は強くなります。
- 途中で切れたり、急に湧き出てきたりせず、N極からS極に流れます。
- 磁力線は途中で交わったり、枝分かれしたりしない。
【例1】磁石の周りの磁力線
磁石の周りに方位磁針を置くと、針の向きは方位磁針の向きと同じ向きになります。
方位磁針で磁石の周りの磁場の向きを確認すると、次の図のようになります。
【例2】地磁気
そもそも、方位磁針は東西南北を調べるものです。
方位磁針がN極が北に向き、S極が南の向きに向くようにできています。
(北のnorthと南のsouthですね。)
つまり、地球の北がS極、南がN極のようになり、地球はひとつの磁石のように見なすことが出来ます。
磁場と磁気力の公式
磁気力とは
磁場の空間に磁気量の磁極を置くと、磁気力は次のようになります。
磁気力の公式
ある空間にとが距離だけ離れている時に、磁気力の公式としては次のように表されます。
また、磁気量の磁極は点Aに次のような磁場を作ります。
このように1つの磁極と点Aを結んだ直線の向きに磁場を作るという事になります。
この時のは比例定数で真空の透磁率と次のような関係があります。
電場との対応は次のようになります。
さらに少し踏み込んで磁力線について考えてみましょう。
、の磁極を向かい合わせたとします。
この時に点Aに出来る磁場について考えてみましょう。
これは点Aでのによる磁場との磁場の合成の磁場が、点Aでの磁場になります。(下図)
細かい計算は出来る必要はないですが、イメージだけは出来るようにしましょう。
そして、全体の磁力線は様々な点でこのような合成をする事で求めることが出来ます。
磁場を用いた問題
同じ磁気量の磁極を距離だけ離した時、どのような磁力線が出来るか?
イメージを図示せよ。
問題の解答
の磁極からは外向きの磁場が出てきます。
その磁場の合成を求めてください。
この記事のポイント
磁場の向き・・・方位磁針のN極の向く向き
磁場・・・の受ける磁気力のことで、単位は
磁力線・・・磁界の向きに沿って引いた線のこと
- 磁石のN極から湧き出て、S極へ流れ込みます
- ある点での磁力線の接線方向が磁場の向きになります
- 磁力線が密になっているところほど磁場は強くなります。
- 途中で切れたり、急に湧き出てきたりせず、N極からS極に流れます。
- 磁力線は途中で交わったり、枝分かれしたりしない。
磁気力
必ず理解するまで反復するようにしましょう!
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