オームの法則ってなに?わかりやすく解説



今回は「オームの法則」の解説をしていきます。

「オームの法則」は中学生の時に学習したと思いますが、大学受験でも大切な公式なので、しっかり押さえていきましょう。



オームの法則とは?

オームの法則とは

電流は、次の2つの要因で決まります。

  1. 電流Iは、電位Vに比例する
  2. 電流Iは、抵抗値Rに反比例する

この性質を式で表すと、抵抗値Rの抵抗に流れる電流I、抵抗での電圧降下Vとすると、

    \begin{eqnarray*}V=R\times I\end{eqnarray*}

と表せます。

この法則をオームの法則と言います。

そして、オームの法則から次のことが分かります。

  1. 抵抗が一定のまま、電圧を大きくすると、電流値が大きくなる
  2. 同じ電圧のとき、抵抗値の大きい抵抗を使うほど、電流値が小さくなる

つまり、電圧が大きければ勢いよく電流は流れ、抵抗値が大きいと電流値は小さくなる、というイメージです。

オームの法則に使われてる文字

オームの法則に使われている文字を解説していきます。

電流I \ [A]

電流とは、1秒当たりに断面を通過する正の電気の量で、単位はアンペア(A)になります。また、[A]=[C/s]であり、1秒間に何クーロンの電気が流れるかという事です。

電位V \ [V]

電位とは、電流の流しやすさになります。

電位が大きければ大きいほど、大きな電流が流れます。

これは、電位が大きいと、大きな電場が流れ、それによって電流が大きくなるという事です。

電位は、「高さ」と言うイメージがいいでしょう。

電位に関しては、こちらの記事で詳しく解説しています。
電位と電場について

抵抗R \ [\Omega]

抵抗は、電流の流れにくさです。

電気回路に抵抗をつけなければ電流値が無限大になるので、抵抗器をつけることで、それを防ぐ役割があります。

電気回路のイメージ

この3つの文字を理解したところで、次は電気回路のイメージを出来るようにしましょう。

今回は、電源に抵抗をつけた回路のイメージを解説していきます。

電気回路は水流に例えて考えてみると非常に理解がしやすいです。

次のようにイメージしてください。

  • 電源・・・ポンプ
  • 電流・・・水量
  • 抵抗・・・水車

まず、ポンプ(電源)で水を押し上げます。そして、それによれによって水に勢いがつきます(電流)が、それは水車(抵抗)によって流れにくくなります。さらに、水の高さ(電位)は水車の部分でしか変わっていません。

そうすると、回路の特徴である、

  • 導体内では、電位が等しい
  • 閉回路を1周すると電圧降下はゼロになる

が理解できますね。

(*閉回路とは、分かりやすく言うと、回路1周が指で辿れたら閉回路です。)

 

ポイント

オームの法則

    \begin{eqnarray*}V=R\times I\end{eqnarray*}

電気回路では、導線では電位が等しく、抵抗の部分で電位が降下する。その抵抗での電圧降下は、抵抗に流れる電流と抵抗値の積V=RIで与えられる。

オームの法則を用いた回路の問題の考え方

オームの法則を用いた回路の問題は以下の手順で解きましょう。

  1. 未知数を仮定する
  2. 分岐点ではつじつまを合わせる
  3. 閉回路では1周の電圧降下の和が0になる

オームの法則の問題

問題

次の電気回路で、電流Iが流れており、抵抗値R2Rの抵抗AちとBが並列さえている部分に流れる。この時に、抵抗AとBに流れる電流を求めよ。


問題の解答

まずは未知数を設定しましょう。

  1. 未知数の設定
    抵抗AとBに流れる電流をI_{A}I_{B}と設定します。
  2. 分岐点でつじつまを合わせる

        \begin{eqnarray*}I=I_{A}+I_{B}\end{eqnarray*}

  3. 閉回路1周の電圧降下は0になる
    反時計回りを正の向きとします。

        \begin{eqnarray*}0=R\times I_{A}-2R\times I_{B}\end{eqnarray*}

よって、

    \begin{eqnarray*}I_{A}&=&\frac{2}{3}I\\\\I_{B}&=&\frac{1}{3}I\end{eqnarray*}

になります。

まとめ

まとめ
  • 電流は電位に比例する
  • 電流は抵抗に反比例する

オームの法則

    \begin{eqnarray*}V=R\times I\end{eqnarray*}

 

電気回路

  • 電流・・・1秒あたりに流れる電気量
  • 電源・・・電流を流すポンプ
  • 抵抗・・・電流の流れにくさ

導線では電位は等しくなり、抵抗で電圧降下が起こり、閉回路1周の電圧降下の和は0になる。

オームの法則は簡単な内容ですが、非常に重要なので、必ずできるようにして下さい。

また、電気回路のイメージは、入試でかなり役に立つので、必ずできるようにしましょう。


電磁気学についてさらに詳しく勉強したい方は、こちらのまとめ記事をぜひ参考に↓↓↓

【電磁気学についてもっと詳しく学ぶ】
電磁気学の要点まとめ【物理の偏差値を上げる方法】

2 件のコメント

  • 同じ電圧の時、抵抗の大きい抵抗を使うほど電流が大きくなるとお書きになっておりますが、電流はちいさくなるのではないでしょうか。

    • ご指摘ありがとうございます!修正させていただきました!

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