電磁気学ってなに?わかりやすく解説



物理が苦手な人の中でも、電磁気学の範囲が苦手な人は多いのではないでしょうか。

本記事は、大学受験で物理を使う人向けに、電磁気学の出題傾向から電磁気学の学習のコツについてわかりやすく解説します。

電磁気学が苦手な人はもちろん、苦手ではないが得点源にしたいと考えている人もぜひ参考にしてください。



電磁気学とは何か?

電気、磁気それぞれの現象を扱った物理学の一部門の総称です。

今では「電磁気」と、ひとまとめにされるくらいなので当たり前に考えられるかもしれません。

しかし、200年ほど前までは、電気現象と磁気現象は全く無関係と考えられていました。

1820年にH.C.エルステッドという物理学者が「電流の磁気作用」を発見して以来、電気と磁気は互いに関連されて研究されるようになりました。

研究がなされた初期頃は、電荷あるいは磁荷の間に働くクーロンの法則に基づいた考え方が採用されていたのですが、研究が進められるにつれ、1831年にM.ファラデーによって磁場が変化すると電場が誘起され起電力を生じる現象である「電磁誘導」が発見されました。

その後1846年にJ.C.マクスウェルによって定式化され、今の電磁気学の基礎が完成しました。

電磁気学の出題傾向

大学入試では各大学大問1問分は必ず出題されるほど重要な単元になっています。

中でも以下3つの単元の問題は頻出なので必ず解けるようにしておきましょう。

回路を用いた融合問題

回路の問題には代表的なものとして

回路の頻出問題
・キルヒホッフの法則
・オームの法則
・ホイートストンブリッジ

など、入試に頻出の法則や回路が数多くあります。

また、後に紹介するコンデンサーや電磁誘導の問題とも絡められ、非常に多種多様な問題が出題されています。

コンデンサー

極板に注目した平行板コンデンサーの問題から、回路全体に接続されたコンデンサーの問題まで、幅広く取り扱われます。

平行板コンデンサーの問題では、

平行板コンデンサーの頻出問題
・極板間に蓄えられる電気量、電気容量、静電エネルギー
・誘電体を挿入した時の電気容量、静電エネルギー

を求める問題がよく出題されます。

回路全体に接続されたコンデンサーの問題では、

回路とコンデンサーの頻出問題
・コンデンサーに蓄えられる電気量、電気容量、静電エネルギー
・コンデンサーの合成容量
・コンデンサーの両端に加わる電圧

を求める問題がよく出題されます。

「電気量、電気容量、静電エネルギー」と、また似たような言葉が出てきています。

混同しないように、意味と単位に気を付けながら練習しましょう。

電磁誘導

コイルを用いた問題や、磁場中を移動する一様な導体棒の問題がよく扱われます。

コイルを用いた問題では、

コイルの頻出問題
・コイルに生じる誘導起電力
・コイルを貫く磁束密度

を求める問題がよく出題されます。

磁場中を移動する一様な導体棒の問題では、

導体棒の頻出問題
・導体棒が磁場から受ける力の向きと大きさ
・導体棒に流れる電流の大きさ
・導体棒が移動する速さ

を求める問題がよく出題されます。

コンデンサーと共通して、「何を問われているのか」が分かりにくいのが特徴です。

例えば、「磁束を求めよ」や「磁束密度を求めよ」というように、混同しやすい言葉が問題として取り上げられることが非常に多いのです。

コンデンサーと同様、意味と単位に気を付けながら練習しましょう。


電磁気学の学習のコツ

電磁気学の範囲は、力学とは違い直感的にイメージすることが難しい単元になります。

なぜなら、現象そのものが目に見えないからです。

問題文で与えられた現象から「どういった力が働くのか」を考察し読み解けばよいのかわからない人が続出しているのです。

そこで、どうすれば問題文の意味を正しく理解し、得点に結びつけられるのかを解説していきます。

使われる単語の定義を理解する

例えば「電場」と「電位」といった似たような単語でも、意味・定義の異なる言葉が電磁気学の範囲ではよく出てきます。人に説明できるレベルで理解しておくと、問題文の意図をくみ取りやすくなり、単位のミスなども防ぎやすくなります。また、現象や法則の定義も正しく理解しておきましょう。

例えば以下のように、電場と電位は単語が似ていますが意味が全く違います

 

似ているけど違う単語

電場…電荷が静電気力を受けるような空間、単位[N/C]

電位…単位電荷(+1C)がもつ静電気力による位置エネルギー、単位[V]

 

細かいようですが、こうした1つ1つの言葉の定義を正しく理解することが電磁気学の範囲ではとても大切です。

公式を覚え問題で使えるようにする

単語や現象、法則の定義を理解した後は、それぞれの言葉と関係性の深い公式を関連付けて覚えます。

膨大な公式と問題量をこなしながら覚えていくよりも、1つの公式とその公式に関連する単語を整理していきながら、練習問題を通して問題に慣れていきましょう。

向き(ベクトル)に注意して図示する

力学と同様、向きに注意して解かないと間違いを繰り返してしまいます。

力学よりもイメージが難しい分、向きを意識するのは大変かもしれません。

そこで、与えられた図には必ず矢印を書き加え、向きがはっきりと分かるようにしておくとミスが少なくなります。

数学の正負の符号のミスが多い人は、物理でも同じ間違いをしやすいので気を付けていきましょう。

まとめ

電磁気学の苦手を克服するには

  • 使われる単語の定義を理解する
  • 公式を覚え問題で使えるようにする
  • 向き(ベクトル)に注して図示する

この3つを注意するのが大切。電磁気学は毎年必ず出題される重要単元の1つであり、同時に苦手とする人の多い単元でもあります。

入試で物理を使う人は、力学に並んで配点が高く設定される傾向にあるので、きちんと整理して覚え、解けるように何度も繰り返し練習するようにしましょう。

 


電磁気学についてさらに詳しく勉強したい方は、こちらのまとめ記事をぜひ参考に↓↓↓

【電磁気学についてもっと詳しく学ぶ】
電磁気学の要点まとめ【物理の偏差値を上げる方法】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です