ケプラーの法則ってなに?わかりやすく解説



本記事ではケプラーの法則について、物理アレルギーの高校生にもわかるように解説していきます。

ケプラーの法則は公式を導出するというよりも定義や式を覚えることが多い単元です。

物理学の基礎になる万有引力の法則につながる重要な単元ですので、きちんと本質を理解できるように本記事でしっかり学習してください。

 



ケプラーの法則とは?

『太陽の周りを地球が周っている』ことは現代人であれば小学生でも知っている一般常識です。ですが、中世時代の人間の一般常識は全く逆のものでした。中世時代までは『地球が宇宙の中心である』とする天動説が一般的で、太陽や他の惑星は地球を中心にして回っているとするのが科学者の中での常識でした。

この天動説に異論を唱えたのが16世紀の科学者コペルニクスです。彼は天動説とは全く真逆の『太陽を中心に地球や他の惑星が回っている』とする地動説を唱えました。

コペルニクスは最初の頃こそ当時の学者から反論を受けていましたが、徐々に彼の理論は浸透していき、最終的には地動説が惑星運動の考えの主流になります。

そしてコペルニクスの登場から約100年。17世紀初頭にドイツのケプラーが太陽系の惑星運動についての観測結果を分析し『ケプラーの法則』と呼ばれる3つの法則を発見しました。

その法則がこちら。

ケプラーの法則

第1法則:惑星の軌道は太陽を1つの焦点とする楕円軌道である

第2法則:太陽と惑星を結ぶ直線が単位時間動いた時にできる扇型の面積(面積速度)は、太陽の距離に関係なく一定である

第3法則:惑星の公転周期Tと軌道の長半径Rについて、比例定数をkとした時にT^2=kR^3が成り立つ

このケプラーの大発見によって、万有引力の法則をはじめとする様々な物理学の理論が発明されるようになります。

では、ケプラーの法則について一つずつ解説していきましょう。

 

ケプラーの第1法則

ケプラーの第1法則

第1法則:惑星の軌道は太陽を1つの焦点とする楕円軌道である

まず1つ目の法則は『惑星は太陽を一つの焦点とする楕円起動を描く』というもの。

楕円とはある2点からの距離の和が一定になる点を集めた図形のことです。紙の上に2本の画鋲を刺して糸を張り、糸を張った状態でペンを使ってぐるっと一周させた時に描く図形が楕円です。(ヒマな時にでも実際書いてみるとイメージ湧きやすいです。)

画像のように、惑星は太陽を一つの焦点とした楕円軌道を描く運動をします。ちなみに実際は限りなく『円に近い楕円』の軌道をとるようです。

太陽を中心に楕円軌道を描く

大学に入ると「なぜ楕円運動をするのか?」についての証明方法について学ぶことができます。本ブログは受験生が偏差値を上げることを目的にしているので、今回は解説しません。受験生のみなさんは、第1法則については「惑星は楕円の軌道を描く」ことを覚えておけば問題ないです。

もし興味のある人は「ケプラーの法則 導き方」といったキーワードでグーグル先生で調べてみてください。『なぜ楕円軌道を描くのかの証明』だったり『なぜ太陽系の惑星が8個しかないのか』の理由などについて詳しく解説しているサイトがたくさんあるので面白いですよ。

 


ケプラーの第2法則

ケプラーの第2法則

第2法則:太陽と惑星を結ぶ直線が単位時間動いた時にできる扇型の面積(面積速度)は、太陽の距離に関係なく一定である

2つ目の法則は『惑星の面積速度は常に一定である』というもの。新しい単語が出てきましたね。

『面積速度』とは、惑星が単位時間(1秒)移動した時に太陽と描く扇型の面積のこと。画像で水色に塗られた部分の面積のことで、ケプラーの第2法則はこの面積速度が常に一定になることを証明したものです。

惑星の面積速度は一定

これも『面積速度が一定になる』ことを覚えておけばOKです。近似の考え方を使うことで証明ができますが、こちらも興味がある人はグーグル先生に聞いてみましょう。

 

ケプラーの第3法則

ケプラーの第3法則

第3法則:惑星の公転周期Tと軌道の長半径Rについて、比例定数をkとした時、T^2=kR^3が成り立つ

さて、ケプラーの法則の中で最も重要なのがこの第3法則。『惑星の公転周期の2乗は軌道の長半径の3乗に比例する』というもので、比例定数をkとした時に、以下のような2式で表すことができます。

T^2=kR^3 または \frac{T^2}{R^3}=k

長半径とは画像のRの部分です。

楕円の長半径

kの値は太陽系の惑星であれば全て同じ値になります。公転周期は太陽=恒星の質量が大きくなればなるほど小さくなるので、太陽以外の恒星系ではkの値も変わるということですね。

ここら辺の話も調べてみると面白いのでグーグル先生を頼りましょう(笑)

(グーグル先生!いつもありがとう!)

 

第3法則から「万有引力の法則」を導く!

第3法則はケプラーの法則の中で最も重要です。なぜならこのケプラーの法則を応用することで物理学の全ての基礎である『万有引力の法則』を導出できるから。

この導出の方法は論述問題などでもかなりの頻度で出題される、受験生であれば必修の分野なのですが、本記事では解説しません。万有引力の法則の記事の中で詳しく解説していく予定ですので、記事が書けしだい紹介しますね。

 

まとめ

ケプラーの法則まとめ

第1法則:惑星の軌道は太陽を1つの焦点とする楕円軌道である

第2法則:太陽と惑星を結ぶ直線が単位時間動いた時にできる扇型の面積(面積速度)は、太陽の距離に関係なく一定である

第3法則:惑星の公転周期Tと軌道の長半径Rについて、比例定数をkとした時にT^2=kR^3が成り立つ

繰り返し本記事を読んでケプラーの法則をマスターしましょう。特に第3法則は受験に必須の知識なので忘れないように!

惑星関係の力学は調べると面白いものが多いので、興味が湧いた人はぜひ自分でも色々調べてみましょう!

力学についてさらに詳しく勉強したい方は、こちらのまとめ記事をぜひ参考に↓↓↓

【力学についてもっと詳しく学ぶ】
力学の要点まとめ【物理の偏差値を上げる方法】

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