磁場のある空間で導線に電流を流すと導線がピュンって動きます。この様な問題で導線の動く向きを間違える人が非常に多いです。
これを間違えるだけで試験の点数は大きく変わります。間違いを避けるための便利な法則がフレミングの法則です。
この記事ではフレミングの右手の法則と左手の法則まで詳しく解説し、電磁気の本質を理解してもらいます。
何度も繰り返し読んで理解するようにして下さい。
目次
フレミング左手の法則とは?
図のように磁場の中にある導体棒に電流を流すと導体棒がピュンっと動きます。

そこでどの向きに導体棒が動くのか?
これを決めるのに便利な法則がフレミング左手の法則です。
フレミング左手の法則を考える時は、【親指】【人差し指】【中指】を直角に立てます。

立てた指は以下の意味合いがあります。
- 中指…電流の方向
- 人差し指…磁場の方向
- 親指…導体棒が動く向き(導体棒が受ける力の向き)
これが一般的な覚え方です。
導体棒の動く向きを求める時は、
- 中指を電流の向きに合わせて
- 人差し指を磁場の向きに合わせます。
- そして、親指の向きが導体棒の向きという事になります。
このフレミング左手の法則の使い方については後の章でもっと深く解説します。
そして、このフレミングの法則、左手だけではなくて右手もあるんですよ。
フレミング右手の法則とは?
次にフレミング右手の法則についてを説明していきます。
これは磁場内で導体棒を動かすと誘導起電力が発生します。

この誘導起電力の向きを求める時にフレミングの右手の法則を使います。
フレミング右手の法則を考える時は、【親指】【人差し指】【中指】を直角に立てます。

立てた指は以下の意味合いがあります。
- 中指…誘導起電力の向き
- 人差し指…磁場の方向
- 親指…導体棒が動く向き(導体棒が受ける力の向き)
誘導起電力の向きを求める時は、
- 親指を導体棒が動く向きに合わせて
- 人差し指を磁場の向きに合わせて
- そして、人差し指が誘導起電力の向きになります。
これは正直覚えなくても問題ありません。
というのも本質を知ればフレミング左手の法則だけで全て出来るようになるからです。
右も左も覚えて頭がパンクしない様に本質の解説をします。
フレミングの法則から電磁気の本質を学ぶ
磁場内で導体棒に電流を流すと導体棒がピュンっと動いたり、磁場内で導体棒を動かしたら誘導起電力が発生する。
これって共通の法則があるんですよ。
その共通点がローレンツ力です。
導体棒がピュンって動くことも、誘導起電力が発生するのもどちらもローレンツ力によるものです。
ローレンツ力とはどのようなモノか?
それは次の図を見ればわかりやすいと思います。
荷電粒子が磁場内を運動すると力を受けます。この力をローレンツ力と言います。

この現象で実際に
- 磁場内にある導体棒に電流が流れて時にピュンって動く現象
- 磁場内で導体棒を動かすと誘導起電力が発生する現象
を説明していきます。
最強のフレミング左手の法則!これを覚えれば十分!
上記でフレミングの左手の法則を説明しましたが、新しいフレミングの法則を解説します。
フレミング左手の法則を考える時は、【親指】【人差し指】【中指】を直角に立てます。

立てた指は以下の意味合いがあります。
- 中指…電荷の動く向き
- 人差し指…磁場の方向
- 親指…ローレンツ力の向き
『電磁力』
これが一般的な覚え方です。
これを用いて二つの現象について説明しようと思います。
磁場内にある導体棒に電流が流れて時にピュンって動く現象
まずひとつ目の『磁場内にある導体棒に電流を流すとピュンって動く現象』についてです。
磁場内で電流を流すという事は磁場内で荷電粒子が運動するという事になります。
つまり、
- 電流の向き=荷電粒子の動く向き(中指)
- 磁場の向き=磁場の向き(人差し指)
- 導体棒が動く向き=ローレンツ力の向き(親指)
と考えてます。

ローレンツ力がかかった向きに導体棒が動くと解釈できますね。
磁場内で導体棒を動かすと誘導起電力が発生する現象
まずひとつ目の『磁場内で導体棒を動かすと誘導起電力が発生する現象』についてです。
磁場内で導体棒が運動するという事は、磁場内で導体棒内の電荷が運動しているという事になります。
つまり、
- 導体棒の動く向き=荷電粒子の動く向き(中指)
- 磁場の向き=磁場の向き(人差し指)
- 誘導起電力の向き=ローレンツ力の向き(親指)
と考えます。

導体内の電荷にローレンツ力がかかり、それによって電荷が運動します。
つまり、電流が流れたという事になります。電流が流れたという事はその向きに誘導起電力が発生したと解釈することが出来ます。
フレミング左手の法則とコイルの回転
図のように磁場中に電流が流れている時、コイルはどの向きに回転します。
これは図の向きにローレンツ力が働くからになります。

しっかりと左手の親指、人差し指、中指を直角に立ててローレンツ力の向きを決めます。
その方向にコイルは回転します。
フレミングの法則を用いた例題
図のように下向きに磁場がかかっている中で、電流を流すと導体棒が外向きにピュンって動いた。この時に電流はどちらの向きに流したか。

例題の解答
フレミングの左手の法則を使えば簡単です。
- 荷電粒子の動く向き=電流の向き=中指の向き=求めるもの
- 磁場の向き=人差し指の向き
- ローレンツ力の向き=導体棒の動く向き
このように左手を合わせれば、中指の向きが電流の向きになります。

この記事のポイント
フレミング左手の法則
- 中指…電荷の動く向き
- 人差し指…磁場の方向
- 親指…ローレンツ力の向き
『電磁力』と覚える!
この記事で説明したことは非常に重要なので何度も読んで理解するようにして下さい。
分かるまで反復する。
勉強の鉄則です。
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