ローレンツ力ってなに?わかりやすく解説



この記事では「ローレンツ力」について、公式とその成り立ちについてわかりやすく解説をしていきます。ローレンツ力は電磁気学の中でも頻出の単元なので基礎をしっかり理解しないといけません。

  • これから物理を学ぶ高校生
  • 物理を得点源にしたい受験生

に向けて、できるだけ噛み砕いて解説しますので、最後までしっかり読んで理解しましょう!



磁場が電流に与える力をミクロな視点で考えてみる

磁束密度の解説記事で、磁場は電流に力を与えるということを学びました。

電流は荷電粒子の流れですから、電流が受ける力は粒子1つ1つが受ける力の合力であると考えることができます。

荷電粒子が受ける力はどんな力か?をミクロな視点で考えてみましょう。

磁場の中を荷電粒子が通ると・・・?

ローレンツ力とは?

電子などの荷電粒子が磁場の中を運動すると、粒子は磁場から力を受けます。この力をローレンツ力と呼びます。

粒子の持つ電荷をQ[latex][C]、粒子の移動速度をv[m/s]、磁束密度をB[T]とすると、ローレンツ力は以下の式で表せます。

ローレンツ力の公式

F=qvB

ローレンツ力の式そのものは簡単なのでそのまま覚えてOKですが、なぜこの公式になるのか?その成り立ちを一緒に学んでいきましょう。


ローレンツ力の式の成り立ち

電流が磁場から受ける力は、磁束密度Bを用いて以下の式で表せることはすでに学んできました。

電流が受ける力:F=IBl・・・①

また、導線の断面積をS、単位体積あたりの自由電子の数をn、自由電子の平均速度をv、自由電子の電気素量をeとすると、電流Iには以下の式が成り立ちます。

I=envS・・・②

②式の導出方法については電流の解説記事を参考にしてください。この導出過程も頻出なので必見です。

①式に②式を代入すると③式が成り立ちます。

F=envSBl・・・③

③式のnSl部分は導線の中の自由電子の総数になるので、電子1個あたりが受ける力、ローレンツ力fは以下の式になるというわけです。

f=evB

今回の式は自由電子の電気素量eで考えていますが、荷電粒子の持つ電荷qに置き換えると、一般的な粒子にもローレンツ力が働くことがわかりますね。

ローレンツ力はフレミングの左手の法則に従う

力には必ず向きと大きさがありますが、ローレンツ力の向きはどのようになるのでしょう?

結論から伝えると、ローレンツ力の向きはフレミングの左手の法則に従います。

例えば正電荷が磁場の中を通過した時、受けるローレンツ力は以下の図のようになります。

ローレンツ力はフレミングの左手の法則に従う

ローレンツ力の働く向きに注意

ここで注意したいのが、フレミングの左手の法則は電流の向かう向きを正として考えるということです。

正電荷を持つ粒子については「電流の向き=粒子の移動する向き」で言えますが、負電荷の場合は「電流の向き=粒子の向きと逆」になるため注意しましょう。

ローレンツ力の向きは

粒子の電荷が正のとき:粒子が移動する向きを電流の向きとする
粒子の電荷が負のとき:粒子が移動する向きと反対を電流の向きとする

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました!

ローレンツ力の基本的な考え方について理解できましたか?


電磁気学についてさらに詳しく勉強したい方は、こちらのまとめ記事をぜひ参考に↓↓↓

【電磁気学についてもっと詳しく学ぶ】
電磁気学の要点まとめ【物理の偏差値を上げる方法】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です