剛体ってなに?わかりやすく解説



物理には剛体という概念があります。

剛体とは物体の持つ「ある特性」を考えるために発明されたものなのですが、あなたはそれが何かわかりますか?剛体がわかるようになると物理の理解度が大幅にアップしますので、楽しみながら偏差値をあげることができるようになりますよ。

本記事では剛体の特性について、わかりやすく解説していきます。

 



剛体とは

ではまず剛体とは一体どんなものなのでしょうか?その定義はこちら。

剛体の定義
剛体とはどれだけ力を加えても変形しない、大きさを持つ物体のこと

物体には大きさがある

そもそも剛体というものがなぜ物理で重要になるのでしょうか?なぜなら剛体は「物体には大きさがある」ということを説明するために必要なためです。

今まで運動方程式や等速直線運動などの単元では、物体の大きさは無視できるものとして考えてきていました。大きさを持たずに質量だけを持つものを質点と呼び、これは現実には存在しない仮想的なものなのですが、現実世界の物体には必ず大きさがあります。

そして、大きさを持つ物体は力を加えることによって、新しく考えなければいけない項目が出てきます。それは物体は回転をするということ。回転することによって物体の運動の状態が変化するため、現実世界の物体の運動は質点として考えるよりも計算がより複雑になります。物体の回転を考えるために、大きさを持つ剛体という概念が昔のえらい物理学者たちによって発明されたわけです。

 

物体が回転するのはどんなとき?

重心からずれた位置に作用線があると剛体は回転する

ではどんな時に剛体は回転するのでしょうか?それは、剛体の重心からずれた位置に力の作用線がある時です。重心とは物体の質量が集中する点のことで、剛体の回転の中心になります。

画像のように重心からずれた位置で力の作用線が働く時、剛体は回転をします。作用線が重心上にある時はどうでしょうか?重心は剛体の質量が集中している点であるため、その点に力の作用線があるときは仮想的に質点としてみなすことができます。そのため剛体は回転をしません。

 

剛体の運動

剛体は力の加え方によって2種類の運動が組み合わさって運動します。一つ一つ解説していきましょう。

 

並進運動

まず一つ目の運動が並進運動です。並進運動とは剛体が回転せず、力の作用線と並行に運動をすることを言います。
剛体が並進運動をするのは大きく分けて以下の2パターンです。

剛体が並進運動をする場合

①力の作用線が重心を通る場合

②力のモーメントが釣り合っているとき

並進運動の2パターン

①の場合は重心上に力の作用線があるパターン。重心は物体の質量が集中する点であるため、質点への力の働き方と同じとみなすことができるので並進運動をします。

②の場合ですが、重心から作用線への距離と力の積を「力のモーメント」と呼びます。力のモーメントについては別の記事で解説していますのでここでは軽くしか話しませんが、力のモーメントが釣り合う時にも剛体は並進運動をします。

①も②も力のモーメントが0の状態ということです。

 

回転運動

2つ目が回転運動です。剛体が回転運動をするのは以下の場合。

剛体が回転運動をする場合

力の作用線が重心を通らない時

これはすでに冒頭でお話しした通りです。力の作用線が重心を通らない場合は剛体は回転運動をします。なぜ回転運動をするかについても力のモーメントが大きく関わってきますので、こちらの記事も参考にしてください。

 


本記事について動画で解説

本記事についてはこちらの動画でも解説していますので、ぜひご覧ください。

 

まとめ

剛体のまとめ
  • どれだけ力を加えても変形しない、大きさを持つ物体のことを剛体と呼ぶ
  • 剛体の運動は並進運動と回転運動の組み合わせで表すことができる

剛体の1番のポイントは「物体は大きさを持つよ」ということ。これさえ理解できていれば一旦OKです。
剛体のより詳しい性質については力のモーメントの記事で詳しくお話ししますので、ぜひそちらも合わせて読んでくださいね。

力学についてさらに詳しく勉強したい方は、こちらのまとめ記事をぜひ参考に↓↓↓

【力学についてもっと詳しく学ぶ】
力学の要点まとめ【物理の偏差値を上げる方法】

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