「力とは何ですか?」と聞かれた時、あなたはその性質を物理的に説明することができますか?
力の性質をきちんと理解できれば、問題を解く力にも繋がります。逆に今回の内容は超がつくほど基本的な話ですから、抜け漏れがないかきちんとチェックしましょう。
そもそも「力」ってなに?
「力持ち」とか「力になる」とか「力うどん」とかいろいろな力を使った言葉はありますが、そもそも物理学でいう「力」とはどんなことを表すのでしょうか?物理学での力の定義は「物体の状態または運動を変化させる作用のこと」です。
例えば交通事故で車が正面衝突した映像なんかを観たことがあると思います。あれはまさしく力がそれぞれの車に作用して、「車の形=物体の状態」を変化させた例です。
他にも野球でピッチャーが投げたボールをバットで打ち返した時、ボールは初めの運動とは逆に飛んでいきますよね。あれもバットがボールに力を加えることでボールの運動の状態が変化した、ということです。
力が働くことで物体のなんらかの状態が変化している、ということをまずは覚えましょう。
力の表し方
力を表す時は、以下の3つの要素を使って表します。これらの要素を「力の3要素」と呼びます。
力の3要素という言葉自体は別に覚える必要ないですよ。大事なのは「力とは本質的に何か」をきちんと理解することです。
ここで大切なのは「力はベクトルである」ということ。ベクトルである以上、力には必ず向きと大きさがあります。で、そのベクトルが作用する点を文字通り作用点と呼ぶわけです。

「ベクトルってなんだっけ?」という人はこちらの記事もチェックしてください。
力の単位「N(ニュートン)」
力を表す時、その力の大きさを「N(ニュートン)」という単位で表します。万有引力や運動方程式を発明したあのニュートンさんからとった単位ですね。「N(ニュートン)」の定義は以下の通り。運動方程式から「1N」の定義を決めたものです。
力の特性
力には2つの重要な特性があります。それは「合成」と「分解」です。これは力がベクトルであるから生まれる性質ですね。
この2つの特性については別の記事で解説しているので、そちらを合わせて読んでみてください。
【合わせて読みたい】
力の合成と分解ってなに?わかりやすく解説してみた
力の釣り合い
物体に働く合力が0になる時、物体は静止します。例えば画像のように物体に働く合力に、大きさが同じで向きが逆の緑のベクトルで表される力
が働くと、物体に働く合力が0になります。こうなると、物体に作用する力が実質ないことになりますので物体は静止します。

力のつりあいについては別の記事で解説しているので、そちらを合わせて読んでみてください。
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力のつりあいってなに?わかりやすく解説してみた
本記事を動画でわかりやすく解説
今回の記事の内容についてはこちらの動画でも解説していますのでぜひご覧ください。
まとめ
- 力とは「物体の運動・状態を変化させる作用」
- 力はベクトルである
- 力は合成(合力)と分解(分力)ができる
- 力が釣り合う(0になる)と物体は静止する
力の特性をきちんと理解するのが力学の基本ですよ。
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