熱力学の要点まとめ【物理の偏差値を上げる勉強法】



力学では目に見える物体の運動を考えてきましたが、物体をさらに細かく分解して見えないほどに小さくすると、分子や原子のような粒子になります。そんな目に見えないほど小さな粒子の運動を扱うのが熱力学です。

目に見えない空気や身の回りの物質を構成する分子がどんな運動をしているか?またその運動がどんな影響を与えるのか?を数式を使って考えます。

目に見えない粒子の運動を扱うので力学よりもイメージがしにくいですが、正しい手順で学べばそこまで難しいものでもありません。ちょっとしたコツさえ身につければ、熱力学も得点源に変えることができます。

この記事では

  • 物理が苦手な受験生
  • これから物理を勉強する高校生

に向けて、熱力学の効率的な学習の進め方についてまとめて解説していきます。



熱力学ってどんな分野?

冒頭でも伝えたように、熱力学は「目に見えない分子や原子の運動」を考える為の学問です。

例えば画像のりんごのような物体も、目に見えないほど小さな分子が無数に集まってできたものです。りんごの視点をマクロな視点、分子のような小さな視点をミクロな視点と呼んだりします。

ミクロな視点で物体を見ると・・・

ミクロな視点で見る分子は、実は常にランダムな振動をしています。静止している様に見える場合でも、ミクロな視点で観察すると物質を構成する原子は振動をしているのです。

この振動の運動エネルギーが熱の正体です。熱いフライパンほど鉄の分子が強く振動し、氷の塊ほど分子は静かに振動しています。

分子の振動の運動エネルギー=熱

要するに見えないほどミクロな視点の分子の運動を数式にしたのが熱力学というわけです。

「熱力学は目に見えないほど小さな分子の運動についての分野である」ということが理解できていれば、まずはOKですね。

熱力学を得意にするコツ

熱力学を得意にするためのコツは以下の2つです↓。

熱力学を得意にするコツ
コツ①:まずは力学を完璧に仕上げる
コツ②:公式を丸暗記せず原理原則を理解する

コツ①:まずは力学を完璧に仕上げる

熱“力学”とあるように、熱力学も力学の一部です。

力学が目に見えるマクロな世界の物体の運動を扱い、熱力学は目に見えないミクロな世界の分子運動を扱います。

目に見えないだけで、実際は分子も物体の一部なので、力学で学んだ知識がかなりの範囲で役立ちます。というより力学が苦手だと、力学の応用である熱力学も苦手になってしまいます。

熱力学が苦手ならば、前段階の基礎である力学の理解が足りていない可能性があるので、力学が完璧になるまではそちらに集中しましょう。

コツ②:公式を丸暗記せず原理原則を理解する

例えば理想気体の内部エネルギーUを求める以下の公式があります。

U=\frac{3}{2}nRT

(n:物質量、R:気体定数、T:絶対温度)

これをそのまま覚えても良いですが、実際は公式にそのまま数字を当てはめるような問題はほとんど出題されません。

公式に数字をただ当てはめる問題よりも「なぜこの公式になるのか?どうやったら導き出されるのか?」といった原理原則を問われる問題が多く出題され、この傾向は上位の大学になればなるほど強くなります。

熱力学に限った話ではないですが、ただただ公式を暗記するだけでは物理は上達しません。きちんと原理原則を理解して、自分で公式を導出できるくらいまで問題練習を繰り返しましょう。


熱力学の記事一覧【優先度順】

最後に当ブログで解説している熱力学についての解説記事を、学習の優先度が高い順番でまとめました。

教科書の単元の順番はあまり重視せず、偏差値を上げるために優先度の高い学習順でまとめましたので、ぜひ参考にしてください。

※新しい記事が更新できた場合は随時追加していきます。


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