高校物理や高校化学で頻出の理想気体。ですがそれの持つ正しい意味をきちんと理解できているでしょうか?
理想気体の発明によって気体の物理法則の考え方はものすごく簡単になりました。正しく理解できているかどうかで熱力学の記述問題の正答率に差が出ますのでぜひ本記事で知識を深めてください。
目次
理想気体
理想気体とはどんな気体なんでしょうか?その定義はこちら。
分子の大きさと分子間力を無視できる気体を理想気体と呼ぶ
理想気体とはつまり、気体分子がお互いに影響を及ぼし合わない理想的な気体ということです。
気体も結局は質量を持つ物体
僕たちの住んでいる地球には空気が溢れています。空気自体は酸素や二酸化炭素を含んだものですが、目で見ることはできません。ですが地球上にはという途方も無い量の空気があり、確かにそこに存在しています。
目に見えない(一部は見えますが)気体も質量のある分子の集まりです。結局は質量があり、一つ一つの分子が互いに影響を及ぼしあって動いています。常に分子と分子が分子間力で互いに引き合ったり、衝突し合っています。
熱力学は気体分子の運動を元に様々な現象を公式で説明するんですが、この時に一つ一つの分子の衝突や分子間力まで考えだすと、膨大な量の計算をしないといけないことになります。そんな手間を減らし、シンプルに気体分子の運動を考えるために発明されたのが理想気体です。
衝突も大きさも無視できる理想的な気体分子
理想気体はその大きさも互いの分子間力も無視できるという現実には存在しない理想的なものです。
上記のように現実世界の気体分子は互いに衝突しあっていたり引き合っていますが、理想気体分子は互いに影響しないので分子が直進するという特性を持っています。空気抵抗が無視できて互いに衝突しないボールが飛び回っているイメージですね。
これによって分子に影響を与えるのは重力や衝突した壁からの抵抗力だけになるため計算が簡単になるんです。
高校物理や高校化学で扱かう気体は基本的に全て理想気体として考えます。
理想気体の内部エネルギー
気体が持つエネルギーのことを内部エネルギーと呼びます。理想気体の内部エネルギーの公式はこちら。
理想気体の内部エネルギーの導出
理想気体は気体の分子同士が影響を与えません。つまり「分子の持つ運動エネルギー=熱」の合計がそのまま理想気体の持つ内部エネルギーなります。
導出の手順は気体分子運動論や内部エネルギーについての詳しい理解が必要です。まだ本ブログではそれらの記事を公開していませんので、公開でき次第こちらの記事でも加筆して解説します。少しだけお待ちください。
「内部エネルギー」の解説記事
気体分子運動論の解説記事
※ただいま準備中です。
まとめ
いかがでしたか?最後まで読んでいただいてありがとうございました。
理想気体は高校の熱力学の超重要な基礎知識ですから、ぜひ本記事を参考に知識を深めてください。
理想気体はカンペキ!って人は以下の記事も合わせて参考に!
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