今回は「電位」について学習していきましょう。
電位は、電場と同じでコンデンサーを勉強する上で非常に重要なので、必ず理解するようにして下さい。
本記事では、大学受験で物理を使う人向けに、「電位とは何か?」を、電位に関する例題を交えながら解説しています。
苦手意識のある方にもわかりやすく解説していくので、最後まで参考にしてみて下さい。
電位とは何か?

電位とは、「電場中にある点に置かれたの正電荷のもつ位置エネルギー」のことを言います。
電位は、電場による力がの正電荷にする仕事になります。
重力による位置エネルギーが基準点からの高さによって決まるのと同じで、電荷の位置エネルギーについても、高さにあたるものとして「電位」を定義しています。
そのため電位の基準点は基本的には任意ですが、実用的には大地(アース)の電位を基準に取り、理論的には無限遠の電位をゼロに取るケースが多いです。
点電荷による電位
真空中で点Aにの点電荷がある時、点Aから
離れた点Pの電位は、
の正電荷を無限遠から点Pまで運ぶ仕事になります。

正電荷には働く力は、
として
になり、この力による仕事が電位になります。
仕事を求める時に、力が一定でなければ、『グラフの面積が仕事になる』を用いましょう。

よって、
となります。
真空中での点電荷から
離れた点の電位
電位の重ね合わせ
真空中において、点Aにの点電荷、点Bに
がある場合、それぞれの電荷による点Cの電位
、
は、
となりますが、点Cでの電位は、これらの足した値になります。
電場と電位の関係
電場と電位の関係は、すでに説明した通り「電位は、電場による力がの正電荷にする仕事」ですが、ここでは、2枚の金属板を平行に向かい合わせたときを考えていきます。
2枚の金属板を平行に向かい合わせ、それぞれに等量の正電荷と負電荷を与えると、極板間には一様な強さの電場が生じます。
極板間の距離を、電場の強さを
とすると、極板間の電場
は
の電荷を点Bから点Aまで
の力を加えて
動かす仕事になるので、
が成り立ちます。
電位に関する例題
の正電荷、および
の負電荷をもつ2つの小球A、Bを
離して固定する。Aの座標を
、Bの座標を
として、AからBの向きにx軸をとる。次の問いに答えよ。
- 電位が0になる点の軌跡を求めよ。
例題の解答と解説
指針
電位が0となる座標を求める問題。合成電位を立てて、それが0になるという条件を解けば求まります。また、電場の場合は、電場ベクトルの和がゼロベクトルという条件を解けば、求まります。
解答
求める座標をPとすると、A、Bによる電位
、
は
となり、点Pでの電位はゼロ。
ここから、点Pの軌跡を求めると、
となります。
つまり、中心、半径
の円上で電位が0になります。
まとめ
- 電位とは、「電場中のある点に置かれた
の正電荷が持つ位置エネルギー」で単位が
(ボルト)
- 真空中で
の点電荷から
離れた点の電位
は
- 電位の重ね合わせ
複数の電荷が空間に置かれている時、ある点の電位はそれぞれの電荷による電位の和になる - 極板間の電位差
電位の範囲は、電位単体ではなく、「電荷」「電荷」「静電気力」と絡めて出題されたり、コンデンサーでも出題されます。
しっかりと読み込み、きちんと整理して覚え、解けるようにしましょう。
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