熱についてはこちらの記事でも解説しましたが、モノは全て原子と分子でできていて、その目に見えない小さな粒の運動エネルギーが熱の正体です。
物理学のミッションは「物事を誰でも理解できる式に表す」こと。本記事では熱をもっと具体的に理解するための「熱量」についてメインにお話していきます。熱力学の基礎をしっかり学習していきましょう!
熱についてのおさらい
ではまず熱についておさらいしましょう。(こちらの記事も合わせて参考に!)
僕たちの世界はごくごく小さな粒である原子と分子が集まってできたもの。その小さな粒が集まってこの世界の物質が構成されています。そして物体を構成する分子は、一見すると止まっているように見えても実は細く振動(熱運動)をしており、その分子の持つ運動エネルギーが熱の正体です。温めたフライパンが熱いのは分子の振動が強まっているからより熱を持っているためです。

分子の振動=熱
熱量
そして、その熱の量を熱量と呼びます。そのままですね。
熱運動の運動エネルギーの量を熱量と呼ぶ。単位は[J](ジュール)。
熱量はエネルギーの一種なので単位は[J]。仕事や運動エネルギー・位置エネルギーと同じ単位です。
そして熱量に関連して覚えなければいけないのが「熱容量」と「比熱」です。
熱容量
熱容量とは簡単にいうと「物体がどれだけの熱を持てるのか」を表す量です。その定義はこちら。
熱容量C[J/K]の物体の温度をΔT[K]だけ上昇させるのに必要な熱量Q[J] は、
一般的に、物体の質量が大きければ温度を1[K]上げるのに必要な熱量はより多くなります。例えば鶏ムネ肉1枚と鶏肉まるまる1羽分だと後者の方が焼けにくいですよね?それは鳥1羽の方が熱容量が大きいためです。
では次に比熱について。
比熱
熱容量と一緒に覚えないといけないのが比熱です。比熱の定義がこちら。
物質1g当たりの熱容量を比熱と呼ぶ。単位は[J/(g⋅K)](ジュール毎グラム毎ケルビン)。
比熱c[J/(g⋅K)]、質量m[g]の物体の温度をΔT[K]だけ上昇させるのに必要な熱量Q[J]は
例えば水と油であれば油の方がより温まりやすいですよね。これは水と油では油の方が比熱が小さいために起こる現象です。物体によって比熱が違うので、燃えやすい物体、温まりやす物体の違いが生まれるわけです。
熱量は保存される
温かい物体と冷たい物体を接触させると、熱が高温の物体から低温の物体へと徐々に移動します。そしてこの時のトータルの熱量は常に保存され、これを熱量の保存と呼びます。
熱量の保存については別でより詳しい記事を書く予定ですので、楽しみにしていてください。
まとめ
いかがでしたか?最後まで読んでいただきありがとうございました。
今回はシンプルに熱力学の基礎的な知識についてお話しました。これらは国語でいうひらがな、数学でいう九九に当たるくらい基礎的な話です。これからの勉強に必須の知識ですから、なんども読み返して完璧にしてくださいね!
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