今日は物理を初めて勉強する高校生にとって、とっつきにくい相対速度の話を可能な限り噛み砕いてわかりやすく解説します。
それは「物理の世界では、観測者がどの視点で物体の運動を観測しているかによって扱う物理法則が大きく変わる」ということ。どういうことでしょうか?
目次
物体の観測の仕方で物理法則は大きく変わる
例えば僕たちは地面の上に立っています。地面に立っている僕たちの視点から「地面=地球」を観測するとどうなるでしょうか?当然ですが、地震が起きたりしない限り地面は止まったままです。
では次に、人口衛星に乗っている宇宙飛行士の視点で見るとどうでしょうか?彼らの視点で見ると地球は高速で自転していますから、地面は決して止まっているわけではありませんし、地面にいる人間たちも高速で動いているように見えるはずです。
さらにさらに、地球はおろか、太陽系全体を観測できる神さま的な人の視点から見るとどうでしょうか?地球は太陽を中心にものすごい速さで公転しているはずですよね。でも普段から地面に立っている僕たちには、地球が太陽の周りを回っていることを知識的には知っていても、実際に観測することはできていないはずです。
同じ地球でも、地球上からすると止まって見えて、人工衛星からみるとコマのように回転して見え、神さまの視点からだと太陽の周りをぐるぐる回っています。
このように「観測者の視点によって物体の扱いが大きく変わる」のが物理学の基本的な考え方です。

基本は地面に立った観測者を基準にする
基本的に高校物理の問題は、特別な条件が設定されていない限り全て「地面に立っている観測者」を基準に考えます。
地面に立っている人からすれば、「道端に植わっている木は止まったまま」ですし「時速70kmで東に移動するバイクは時速70kmで東に移動する」ように見えます。地面を基準にして運動しているので、見た通りの運動を観測できるわけです。
観測者が移動している場合は?
では観測者自身が移動している場合はどうなるでしょうか?
例えば電車に乗って移動している場合。木は止まったままでしょうか?バイクは地面に立っている人と同じように観測できるでしょうか?
違いますよね。電車に乗っている人からすると外の風景は動いて見えますから、止まっているはずの木は動いて見えますし、バイクは地面に止まって見るよりも早く動いているか遅く動いて見えるはずです。ここらへんは日常生活からでも体感できますよね。
このように観測者自身が移動をしている場合、通常の観測方法とは違う方法で物体の運動を観測する必要があります。
具体的にはどのようにすれば良いのでしょうか?
便利な発明→相対速度
観測者自身が運動している時に物体の運動を計測するために、昔のえらい学者さんが、便利な発明をしました。それが「相対速度」です。
自分も相手も運動をしているときに,自分から見たときの相手の速度を「相対速度」と呼びます。
相対速度の求め方
相対速度は「相手の速度ー観測者の速度」を計算することで求めることができます。例題で一緒に考えてみましょう。
たとえば自分が時速60kmの車に乗って、その前を時速80kmでバイクが走っているとしましょう。
これ、体感的には遠ざかって見えることはなんとなくイメージできると思いますが、具体的にどれくらいの速さで遠ざかっているのでしょうか?こんな時は「相対速度」を使って計算します。
自分が止まっていれば,相手のバイクは時速80kmで遠ざかって見えますが,いまは自分も時速60kmで追いかけています。その差が相対速度になるので、車に乗っている自分から見たバイクの相対速度は時速20km。
つまり、時速20kmで遠ざかっているように見えるわけです。

本記事を動画でわかりやすく解説
今回の記事の内容についてはこちらの動画でも解説していますのでぜひご覧ください。
まとめ
- 物理は観測者を基準にして物体の運動を考える
- 通常観測者は地面に静止しているとして考える
- 観測者自身が運動している場合「相対速度」で物体の速度を考えることができる
相対的にモノが観れる相対速度はぜひマスターしてください。
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