この記事では高校物理の波動の範囲で頻出の「うなり」について解説します。
うなりの公式は比較的簡単ですが、原理原則をイメージできないと苦戦しがちです。公式を丸暗記するだけでなく、きちんと導出の過程をマスターしていきましょう。
うなりってなに?
お寺の鐘を鳴らすとゴーンという音が響き合って「ウォンウォン」と周期的に音が大きくなったり小さくなったりします。学校の授業で、2つのおんさを鳴らして同じ現象を経験した人もいるのではないでしょうか。
この、複数の音が重ね合って大きくなったり小さくなったりを繰り返す現象を「うなり」と呼びます。
うなりは振動数の近い2つの波が干渉し合うことで起こるのですが、物理的にはどのように考えることができるのでしょうか。
うなりの正体
うなりは、振動数の近い2つの波と波が重なり合うことで起こります。
例えば画像のような波1と、波1よりほんの少しだけ振動数の少ない波2があるとしましょう。波の基本式からわかるように、波の振動数が小さくなるとそれに反比例して波長が長くなります。

波1(青い波)と波2(赤い波)が合成されると、画像のような紫の波が発生します。紫の波がうなりの正体です。

紫の波を見ると、強め合う波と弱め合う波が交互に発生していますよね。波の形から、うなりが大きく聞こえたり小さく聞こえたりを繰り返すことがわかります。
うなりの公式
うなりの振動数をf、波1と波2の振動数をそれぞれ,
とすると、以下の公式が成り立ちます。

うなりの公式は簡単なのでこのまま覚えてOKですが、公式の成り立ちを一緒に考えてみましょう。
うなりの公式の証明
うなりの周期をTとします。すると画像のように、T[s]の間でそれぞれ
波1→波5個
波2→波4個
だけ進んでいます。

よって波1個分の差があるので以下の式が成り立ちます。
・・・①
①式の両辺をTで割って変形すると
振動数fは周期Tの逆数になるためが成立するので
これでうなりの公式が導き出されました。
まとめ
うなりの原理は簡単ですが、イメージしにくいです。
記事で解説したように、実際に波を図示してみるとわかりやすくなりますから、うなりの公式の導出過程は実際に波を描いて自分でも導き出せるように練習してみましょう。
記述問題や推薦試験の口頭筆記問題で出題される可能性がありますから、公式を丸覚えするだけでなくしっかりと導出の過程を覚えてくださいね。
では、最後まで読んでいただきありがとうございました。
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