初めて物理を勉強する現役生が最初につまずくのが等加速度直線運動です。
ここらへんがうまく理解できずに「俺って物理のセンスないのかな…」なんて思ったりしてしまいます。
実際、僕も現役生の時はここが最初のつまずきポイントでした。
今日は等加速度運動について、可能な限りわかりやすく解説したいと思います。
目次
公式の導出を完璧にしよう
本編に入る前に大事なお話。物理の勉強で、僕が一番重視しているのが「公式を実際に導出してみること」です。公式を覚えるのではなく、なぜその公式が導き出せるのか実際に計算してみるのがめちゃくちゃ大事です。
物理は物事のルールを説明する学問です。ルールを説明するのですから、個人個人でその表現方法が変わってしまっては意味がありません。
例えばスマホを落としたときをイメージして下さい。
- スマホを落とした
- iphoneを落とした
- iphoneを落として画面が割れた
…これ、全部正しいですけど物理的な説明としては間違ってます。物理のキモになるのが「なぜその現象が起きたのかを客観的に理解する」ということ。客観的、というところがポイントです。
確かに上の例はどれも言っていることは正しいですが、個人の主観的な説明が混じってしまっているので「スマートフォンが重力加速度gを受け自由落下した」と説明するのが物理的には正解です。(厳密には空気抵抗とか終端速度とかややこしい話もしないといけませんが一旦無視して下さい。あくまで例なので揚げ足とりはナシで。)
物理では一つの現象を全員が同じように理解できるよう「なんでその現象が起きたのか」を表すために数式というツールを使います。数字は誰がどう扱っても同じ結果が出るので、現象を説明するのに便利なんですね。
実際、入試問題でも公式を正しく使えるかよりも「なんでその公式が導き出されるのか」を聞かれる場合が多いです。上位の国公立大学でも、公式の導出そのものが問題として出されるケースがかなりあります。
物理は現象を説明する学問ですから、公式を使えるかよりも「現象を数式で表すとこうなる」をきちんと説明できるのが大切なんですね。
ですので、少なくとも教科書に載っているレベルの公式は「その導き方」までマスターできるように練習すると、一気に物理の成績が伸びます。
等速直線運動の公式
さあ、前置きがちょっと長くなりましたので本編に入りましょう。
まずは等速直線運動の公式から。等速直線運動はその名前の通り速度が一定の物体の運動のことで
これは物理量の定義通りです。【距離=速度×時間】の公式は中学校でも学んだと思います。
等加速度運動の公式
続いて等加速度運動の公式。等加速度運動は物体が一定の加速度で運動している時のことで以下の3つの公式で表されます
……(2)
……(3)
公式(1)の導出
(1)の公式は加速度の定義そのものですね。初速度v0で移動する物体に加速度aが作用した時を考えて見ましょう。
加速度の定義は「単位時間あたりの速度の変化量」であるので、下の画像のように時刻tでの速度vは、初速度に加速した分の速度を足してあげればOKです。
公式(2)の導出
公式(2)については、物体の変位は、物体の速度を縦軸、時間を横軸においたいわゆるv-tグラフの面積に等しくなるという性質を利用します。
画像のように、「速度が一定の時の変位=青で塗られた面積」と「等加速度運動による変位=黄色で塗られた面積」の合計が変位に等しくなります。
公式(3)の導出
公式(3)については式(1)式(2)を連立してtを消去してやるだけでOKです。詳しい計算過程は省きますが、実際に計算して自身で確かめてみて下さい。
繰り返しになりますが、物理の公式は覚えるのではなく理解して自分で導き出せるようになりましょう。3公式の導出は自力で論述で解説できるようになるまで何度も練習して下さい。
なんで面積=移動距離になる?
ちょっとコラム的な話です。公式(2)の時にさらっと話していますが「v-tグラフは囲まれた部分の面積が変位に等しくなる」という性質を持っています。
これ、物理を勉強し始めの初学者はけっこうつまずきがちなポイントです。実際、僕はここがよくわからず現役生の時に物理が嫌いでした(笑)
なぜ面積に等しくなるのかというと、微小時間Δtという考え方でこれは説明できます。
どういうことかというと、等加速度運動をしている物体のv-tグラフについて、図のように青い長方形で囲まれた微小な時間Δtを考えてみます。
微小時間はものすごく一瞬を切り取ったものなので、「この瞬間の加速度は無視できるくらい小さい=速度は一定」となります。この瞬間だけ等速直線運動をしているとみなせるわけです。
つまりある地点での微小時間Δtの間の変位は、その地点での速度がv1で一定だとした時、微小時間の変位Δxは長方形の面積に等しくなるので
と表すことができます。
で、この微小時間が下の図のように時刻0から時刻tまで連続していると考えます。時刻を0からtまで合計した時、「長方形の面積の合計がv-tグラフとt軸で囲まれた面積=三角形の面積」に限りなく近づくきます。
よって変位はv-tグラフで囲まれた三角形の面積と等しくなるので
になるということです。
ちょっとずるい感じがしますが「微小な区間で区切る」という考え方は物理でものすごく良く使う考え方です。この考え方を発展させたのが微分積分なんですが、高校物理の範囲ではそこまで厳密に考えなくてもOKです。
「面積=変位を証明せよ」といった趣向の問題も出題されることがあるので、上記のように説明する、ということくらいは覚えておいて損はないと思います。
動画で本記事についてわかりやすく解説
今回の記事の内容についてはこちらの動画でも解説していますので、時間があればぜひご覧ください。
まとめ
この記事のポイントは
- 公式は覚えるのではなく導出できるようにすること
- 等加速度運動の公式を実際に導出すること
- 微小時間という考え方を導入することで「v-tグラフの面積=変位」が説明できる
です。
正しい公式の導出ができればどんどん成績は伸びますから、何度も練習しましょう!
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