波の干渉ってなに?わかりやすく解説



当記事では「波の干渉」について物理を初めて学ぶ高校生でも簡単に理解できるよう、わかりやすく解説します。

定期テストやセンター試験など、基礎的な知識を問われる時に「波の干渉」は良く出題されます。

当記事は簡単な解説をした後に、ちょっとした例題を載せています。しっかりと内容を理解した上で実際に問題を解いて、理解度を深めてください。

では始めましょう。本文は5分くらいで読めます。



複数の波は干渉する

水面に石を投げるとその石を中心に円状に波が広がりますが、何個も石を投げ込むとそれぞれの波は重なり合って複雑な模様になりますよね。

水面に2つの石ころを投げ込んだ時、それぞれの着水点からできる波は重ね合わせの原理によってお互いを強め合ったり弱めあったりします。

同位相だと緑の点で強めあい黄色の点で弱め合う(詳しくは後述)

このお互いを複数の波がお互いを強め強め合ったり弱めあったりする現象を「波の干渉」と呼びます。波の干渉には物理的にどんな意味があるのでしょうか?

同位相の波が強め合う時と弱め合う時の条件

今回は画像のように、A点とB点から同位相で振幅と波長、速さが同じ2つの波が生じた時、あるP点での波がどのように干渉するかの条件を考えてみます。

A点とB点を中心に広がる波の干渉を考えた時、あるP点で波が強め合う時と弱め合う時の条件は以下のようになります。

同位相の波の干渉条件

強め合う時:|AP-BP|=m\lambda

弱め合う時:|AP-BP|=(m+\frac{1}{2})\lambda

m:整数 \lambda:波長

ちなみに|a|はaの大きさを表すので、|AP-BP|は「A点とP点、B点からP点のそれぞれの距離の差」を表します。

これをもう少しわかりやすく読み替えると

同位相の波の干渉条件

強め合う条件:それぞれの波の中心からP点までの距離の差が波長の整数倍の時

弱め合う条件:それぞれの波の中心からP点までの距離の差が波長の\frac{1}{2}倍の時

ということになります。

これは超頻出なのでそのまま覚えてしまっても良いのですが、原理原則を理解した方が丸暗記する以上にしっかり覚えられるので、理由を考えてみましょう。

強め合う時:波長λのm倍になる(m:自然数)

まず、波が強め合う時はどんな時でしょうか?少し考えてみましょう。

・・・そう、山と山が重なる、もしくは谷と谷が重なる時に波はもっとも強め合いますよね。

この時、波が干渉して強め合ったのだとしたら、2つの波の山は山に、谷は谷に重ならないといけません。ということはA点とB点からのP点までの距離の差は、必ず波長の整数倍となるわけです。

弱め合う時:波長λのm+1/2倍になる

では逆に波と波が弱め合う時はどんな時か?そう、山と谷(谷と山)が重なり合った時にもっとも弱めあいます。

つまり、画像のようにA点とB点からのP点までの距離の差が必ず半波長ずつずれるというわけです。


波が干渉すると強め合う点と弱め合う点が連続する

ある一つの断面を切り取った時の条件を考えましたが、実際の波は円状に広がっていくため強め合う点と弱め合う点が連続するようになります。

画像の実線を山、点線で谷にした時、緑色の点が強めあい、黄色の点が弱め合うようになるわけです。

同位相だと緑の点で強めあい黄色の点で弱め合う

逆位相の時はどうなる?

同位相の時の条件を考えましたが、では逆位相の時はどうなるのでしょうか?この場合山と谷が逆転するため、干渉する条件もそのまま逆になります。

逆位相の波の干渉条件

強め合う条件:それぞれの波の中心からP点までの距離の差が波長の\frac{1}{2}倍の時

弱め合う条件:それぞれの波の中心からP点までの距離の差が波長の整数倍の時

実際の受験本番で波の干渉が出題される場合、問題文に必ず「同位相」か「逆位相」かが指定されているので、必ずチェックするようにしましょう。

 

波の干渉が理解できているか問題を解いてチェック!

では、波の干渉がきちんと理解できているかどうか、実際に問題を解いてチェックしてみましょう!

問題

A点、B点から同位相2つの波が生じてあるP点で干渉した。波長は0.5[m]である。A点からP点の距離を8[m]、B点からP点の距離を2[m]とした時、P点の波は強め合うか弱め合うか答えよ。

制限時間3分

答え

まずは問題文の条件をよく読むところから始めましょう。波の干渉の問題は同位相か逆位相かで条件が変わりますが、今回の条件は同位相です。

この時それぞれの点からP点への距離の差は

|AP-BP| = 8-2 = 6[m] = 12×0.5[m]

となります。

0.5[m]は波長と一致するため距離の差が波長の整数倍であることがわかるので、P点で干渉した波は「強め合う」が正解です。

まとめ

同位相の波の干渉条件

強め合う条件:それぞれの波の中心からP点までの距離の差が波長の整数倍の時

弱め合う条件:それぞれの波の中心からP点までの距離の差が波長の\frac{1}{2}倍の時

ただ公式を暗記するのではなく、しっかりと原理原則を理解して解答できるようにしましょう。

当記事を何度も読み返して、波の干渉を定期テストや受験本番の得点源にしちゃってくださいね!

波動についてさらに詳しく勉強したい方は、こちらのまとめ記事をぜひ参考に↓↓↓

【波動についてもっと詳しく学ぶ】
波動の要点まとめ【物理の偏差値を上げる方法】

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です