抵抗を交流電源につなぐとどうなる?わかりやすく解説



この記事では「交流電源に抵抗をつないだ場合の特徴」についてわかりやすく解説をしてきます。今回解説する内容は交流の中でも特にややこしい「RLC直列回路」を学ぶための基本となる大事な知識です。

  • これから物理を学ぶ高校生
  • 物理を得点源にしたい受験生

に向けて、できるだけ噛み砕いて解説しますので、最後までしっかり読んで理解しましょう!



交流電源につないだ部品は電圧と電流の位相の変化に着目しよう

高校物理の範囲では

  • 抵抗
  • コンデンサー
  • コイル

の3種類の部品をそれぞれ交流電源につないだとき、どんな違いがあるか?について学びます。

それぞれの部品のどんな部分に違いが現れるのか?ですが「電圧と電流の位相」に差が出てきます。

「位相」とはなにかわかりますか?「位相とは周期的な変化の状態を表す量」のことで、sin(x)cos(y)x,yのことです。三角関数の中身というくらいの認識ができていればOKです。

抵抗・コンデンサー・コイルをそれぞれ交流電源につなぐと、それぞれ電圧と電流の位相が進んだり遅れたりします

この記事では3つの部品の中でも一番簡単な抵抗を交流電源につないだ場合の特徴を考えてみましょう。

抵抗に交流電源をつないだ時の特徴

抵抗に交流電源をつないだ場合、電圧と電流には以下の関係があります。

抵抗に交流電源をつないだ時

抵抗を交流電源につなぐと、電圧と電流は同位相になる

抵抗を交流電源につないだ時、抵抗に流れる電圧と電流の位相は変化しません。位相が全く一緒なので覚えやすいですね。

丸暗記してもいいのですが、物理は「なぜその結果が得られたか?」を考えると上達する学問です。

なぜ電圧と電流の位相が同位相になるのでしょうか?一緒に深掘りしてみましょう。

なぜ電圧と電流が同位相になる?

図のような、交流電源と抵抗を接続した回路を用意します。

交流電源と抵抗を直列に接続する

交流電源の電圧はV=V_0{sin}{\omega}{t}としましょう。このとき抵抗に流れる電流と電圧を比較したいのですが、抵抗の場合はオームの法則V=RIが使えますね。

オームの法則を変形して電流についての式を立ててみましょう。

I=\frac{V}{R}=\frac{V_0}{R}{sin}{\omega}{t}

\frac{V_0}{R}=I_0として、電圧と電流の式を比較してみましょう。

V=V_0{sin}{\omega}{t}・・・①

I=I_0{sin}{\omega}{t}・・・②

位相はsin(x)x部分のことですが、①式と②式はsinの中身が{\omega}{t}で一致していますね。つまり電圧と電流は同位相であるということです。

電圧と電流の関係をグラフにしてみると以下のようなイメージです。グラフの周期は全く同じで、電流の最大値がV_0Rで割った値なので、その分だけ電圧の最大値より小さいグラフになっています。

電圧と電流の位相は同じでも電流の最大値が小さくなる


コンデンサーとコイルに交流電源をつないだ時

抵抗の場合はオームの法則から電圧と電流の位相を簡単に比較できましたが、コンデンサーとコイルの場合はやや複雑です。

コンデンサーもコイルも電源につないだ時にそれぞれ独特の動きをするのですが、その影響で電圧と電流の位相がずれます。

どのようにずれるのか?については以下の記事で詳しく解説をしていきますので、合わせて参考にしてみてください。

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まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました!

交流電源を抵抗につないだ場合の基本について、理解できましたか?


電磁気学についてさらに詳しく勉強したい方は、こちらのまとめ記事をぜひ参考に↓↓↓

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