自己誘導ってなに?わかりやすく解説



この記事では電磁誘導に関連する単元「自己誘導」についてわかりやすくまとめていきます。自己誘導はコイルを使った回路に関係する基本的な概念で、回路問題で頻出です。

  • これから物理を学ぶ高校生
  • 物理を得点源にしたい受験生

に向けて、できるだけ噛み砕いて解説しますので、最後までしっかり読んで理解しましょう!

また、理解には電磁誘導の基本的な知識が必要になるので、電磁誘導の基本的な2つの法則の解説記事を載せておきます。電磁誘導がニガテな人は本文に進む前に、合わせて参考にしてみてください。

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自己誘導

自己誘導についてその正体や受験で出題される公式などについて一緒に学んでいきましょう。

自己誘導とはどんな現象?

自己誘導とはいったいどんな現象なのでしょうか?その定義がこちらです。

自己誘導
自己誘導:コイルに電流を流したとき、電流の変化によってコイル自体が磁束を発生させ、その磁束の変化によって誘導起電力が発生する現象

コイルを貫く磁束が変化するとコイルは誘導起電力を発生させますが、コイル自体に電流が流れることで発生する磁束の変化も誘導起電力を発生させます。

文章で説明するとややこしいので、実際のプロセスを図解で説明していきます。

自己誘導が起こるプロセス

コイルに電流を流すと、電流が流れるにつれてコイル内に磁束が発生します。

右ねじの法則の向きに磁束が発生

この時、電流を徐々に大きくしていくとコイルに発生する磁束は徐々に強くなっていきます。

電流を大きくするとそれだけ磁束が大きくなる(ファラデーの法則)

すると、コイル自体が発生させた磁束の変化に反応してコイル内部に誘導起電力が発生します。

誘導起電力はコイルの磁束の変化を妨げる向きに働きます(レンツの法則)。コイルは磁束の変化を嫌がるわけですね。そのためコイルにもともと流れていた電流とは逆の向きに誘導起電力が発生します。

コイル自身の磁束の変化で今度は誘導起電力が発生する

この現象を自己誘導と呼ぶわけです。


自己誘導の公式

自己誘導によって起こる誘導起電力は、以下の式で表すことができます。

自己誘導の公式

V=L|\frac{\Delta{I}}{\Delta{t}}|

この式の形、何かの式に似ていませんか?そう、ファラデーの電磁誘導の法則の公式V=N|\frac{\Delta{\Phi}}{\Delta{t}}|にそっくりですよね。

自己誘導の公式はファラデーの電磁誘導の公式を変形させて電流の変化量\Delta{I}についてまとめたものです。

自己誘導は電流の変化に対して起こる現象なので、電流の変化量についてまとめた方が計算の都合が良いためですね。

自己インダクタンス

自己誘導の公式の定数L自己インダクタンスと呼びます。

これはファラデーの電磁誘導の公式を電流の変化量で表現したものに変形した時の定数で、コイルの形状によって値が変わってきます。

まとめ

最後まで読んでいただきありがとうございました!

自己誘導について理解できましたか?


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