磁場を通過する荷電粒子の運動についてわかりやすく解説



磁場の中を電荷を持ったごく小さい粒子が通過すると、荷電粒子は磁場からローレンツ力を受けます。ローレンツ力についてはこちらの記事を読んで欲しいのですが、ごく小さい荷電粒子でも質量があるということは運動方程式を立てることができます。

今回は「磁場の中を荷電粒子が通過したときにどんな運動をするか?」を運動方程式を立てながら深掘りしていきたいと思います。ちなみに大学受験や定期テストでの超頻出テーマです。

  • これから物理を学ぶ高校生
  • 物理を得点源にしたい受験生

に向けて、できるだけ噛み砕いて解説しますので、最後までしっかり読んで理解しましょう!



磁場の中を荷電粒子が通過すると・・・

電荷qをもつ質量mの粒子が、速度vで移動しているとしましょう。このとき、荷電粒子の進む向きと垂直に磁場が生じているとします。磁場の中を荷電粒子が移動しているので、荷電粒子に対してローレンツ力が働くことになります。

磁場の磁束密度をBとするとき、荷電粒子はどんな運動をするでしょうか?

垂直な磁場の中を荷電粒子が通るとどうなる?

結論:荷電粒子は円運動する

結論から言ってしまうと、荷電粒子は円運動をします。荷電粒子の運動の特徴は以下の通り。

  1. ローレンツ力を受けている
  2. フレミングの法則よりローレンツ力は速度に対して垂直

物体の力が速度に対して垂直に働いているため、円運動の特徴と一致していますね。

補足:磁場が運動に垂直でないときは?

ちなみに今回の記事では磁場が荷電粒子の運動に対して垂直に働いているケースを想定しましたが、実際には垂直に働いていないことの方が多いです。

ではその場合はどうなるのか?ですが磁場に対して垂直な成分と平行な成分に速度を分解して考えると良いです。磁場に垂直な成分はローレンツ力を受けますが、磁場と平行な成分ではローレンツ力を受けないので、荷電粒子はらせん運動をすることになります。

磁場の中の荷電粒子はらせん運動をする

荷電粒子の運動方程式を立ててみよう

荷電粒子がローレンツ力を受けて円運動をするということは、円運動の運動方程式を立てることができるということです。

ローレンツ力:f=qvB
円運動の運動方程式:m\frac{v^2}{r}=f

2つの式から運動方程式が以下のように成り立ちます。

荷電粒子の運動方程式:m\frac{v^2}{r}=qvB

この運動方程式から円運動の周期や半径を求めたりする問題が超頻出問題なので覚えておきましょう。


まとめ

磁場を通過する荷電粒子の運動について基本的な考え方を解説しましたが、理解できましたか?

受験や定期テストでよく出題される分野なので、しっかりと理解しましょう。基本が理解できたら「磁場が垂直でない応用問題」も試しに解いてみてください。


電磁気学についてさらに詳しく勉強したい方は、こちらのまとめ記事をぜひ参考に↓↓↓

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