等加速度運動、自由落下、投げ上げなど、いろいろな運動がありますがその全ての応用である放物運動について勉強しましょう。
この放物運動ですが、苦手な人結構多いです。ですがその多くはややこしく考えすぎているから、難しく考えて苦手になっているパターンが多いです。
実際、放物運動はそんなに難しくないですよ。なぜなら、どんな問題でも全て3ステップで解けてしまうからです。
苦手な人が多い放物運動ができれば大きな得点源になりますから、解法をマスターして同級生に差をつけちゃいましょう!
目次
放物運動とは
物体を初速度をつけて投げた時の運動を放物運動と呼びます。図は一番オーソドックスな斜めに投げた場合の放物運動ですが、このように斜めに投げる放物運動を斜方投射、水平に投げる放物運動を水平投射と呼びます。

放物運動の公式
結論から言うと、放物運動の公式はありません!なぜなら、放物運動の問題はすべて、今まで勉強してきた運動を合成したものだからです。
どういうことでしょうか?放物運動の解法を詳しく解説していきましょう。
放物運動の解法3ステップ
放物運動の問題の解き方を詳しく解説していきましょう!放物運動の問題は、すべて以下の3ステップの解法で解くことができます。
ステップ2:それぞれ物体がどのような運動をしているか見極める
ステップ3:それぞれの方向ごとに運動の公式を当てはめる
今回は図のような、角度で斜め上に物体を投げた最もオーソドックスな放物運動について考えてみましょう。初速度を
、重力加速度
とし、空気抵抗は考慮しません。

ステップ1:物体の運動の向きを水平方向、鉛直方向で分解する
まずはじめに、図のように物体の運動を水平方向、鉛直方向に分解します。

ステップ2:それぞれ物体がどのような運動をしているか見極める
物体の運動を水平方向、鉛直方向に分解したら、次にその物体がそれぞれの方向でどのような運動をしているのかを見極めます。
まずは水平方向についてはどうでしょうか。今回は空気抵抗を無視できるとしていますから、水平方向に物体に作用する力はありません。物体に力が働かないということはつまり、水平方向には加速度が働かないということ。つまりこの場合、物体は水平方向に等速直線運動をしているということになります。
では、続いて鉛直方向についてはどうでしょう。空気抵抗は無視できますから、鉛直方向には常に重力加速度だけが働いています。つまり、鉛直方向には物体は鉛直投げ上げ運動をしているのと同じ状態ということです。
これで、水平方向と鉛直方向に物体の運動をそれぞれ分解することができました。

ステップ3:それぞれの方向ごとに運動の公式を当てはめる
最後に、それぞれの方向の運動をそれぞれの運動の公式に当てはめればOKです。
まずは、水平方向と鉛直方向のそれぞれの運動について初速度を求めましょう。
物体は初速度で角度
で打ち出されていますから、水平方向と鉛直方向でそれぞれ分解をすると以下のようになりますね。

鉛直方向の初速度→


つまりこの物体は水平方向に初速度の等速直線運動、鉛直方向に初速度
の鉛直投げ上げ運動をしているとみなすことができます。
ここまでくれば、あとは水平方向と鉛直方向でそれぞれ運動の公式に当てはめてあげればOKです。


【鉛直方向の運動】
このように、放物運動はすべて水平方向と鉛直方向の運動が合成されたもので説明ができます。
放物運動は等加速度運動の公式や自由落下を理解できていないと、正しく問題を解くことができません。こちらの記事も合わせてチェックしましょう!
演習問題
放物運動の基本的な演習問題を作成してみました。

動画で本記事についてわかりやすく解説
今回の記事の内容についてはこちらの動画でも解説していますのでぜひご覧ください。
まとめ
ステップ1:物体の運動の向きを水平方向、鉛直方向で分解する
ステップ2:それぞれ物体がどのような運動をしているか見極める
ステップ3:それぞれの方向ごとに運動の公式を当てはめる
放物運動は水平方向と鉛直方向の分解を間違えなければカンタンに解くことができます。たくさん演習問題を解いて放物運動の解法パターンに慣れていきましょう!
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