変位・速度・加速度って何かわかりますか?
ちなみにこの記事の内容は算数でいう九九、国語でいうひらがなくらい基本的なことなので理解できていないと問題を解くときに苦労します。逆にここら辺が理解できていると物理的センスの基本ができているということなので、ぜひマスターして下さい。
物理は基本さえできていれば、センター試験から難関国公立まですべての範囲の問題に対応できるようになります。
目次
物理量のおさらい
変位・速度・加速度のいずれもがいわゆる物理量です。物理量とは物理の計算をする上での一番の基本となる量なのですが、すべての物理量はベクトルとスカラーに分けることができます。
ベクトルとスカラー
ベクトル…向きと大きさで表せる量
スカラー…大きさのみで表せる量
ベクトルとスカラーという単語自体は別に覚える必要はないです。特にスカラーという言葉は最近の教科書には載っていないので初めて見た人も多いかもしれないですね。なぜこの話をしたかというと「物理量はベクトルかスカラーかで扱いが微妙に異なる」からです。
「変位・速度・加速度」の定義
変位…位置の変化の量
速度…単位時間あたりの変位
加速度…単位時間あたりの速度の変化
まず、これらは定義です。昔のえらい学者さんたちが話し合って「変位・速度・加速度とはこうだ!」と決めたものなので、そのまま覚えちゃいましょう。
ここでポイントとなるのが、変位も速度も加速度も全て「ベクトル」であるということ。つまり、向きと大きさを持つということです。これ、重要なポイントなので忘れないでください。
変位って?
変位とは、物体の位置がどれだけ変化したかを表す量のことです。例えば図のように物体がxだけ移動したとしましょう。この時の物体は「正の向きにxだけ変位した」と呼び、xの上に矢印を乗せて「ベクトルx」と読みます。

受験生の80%が間違える勘違いその1
ここで受験生の80%が最初に間違える間違いがあります。それは「変位」と「距離」の違いについて。あなたは「変位」と「距離」の違いについてきちんと説明できますか?
答えを言うと
変位…物体の位置の変化の量。ベクトルなので向きと大きさを持つ。
距離…変位の大きさ。スカラーなので大きさのみ。
つまり「変位の大きさ=距離」を表します。ここら辺を混同して、記述問題などで変位と距離を間違えて回答してしまう受験生が結構多いです。
「細かいなぁ、別にどっちでもよくね?」
そう思いました?はい、実際現役の頃の僕もそう思ってました。
ですが、物理は「物事のルールを説明する学問」なので、こういった言葉をきちんと使えているかで、得点率がかなり変わってきます。上位の大学の添削官ほど、言葉の定義をきちんとわかっているかをかなり重視してくるので、この機会にきちんと理解しちゃいましょう。
速度って?
「単位時間」とは「1秒」のこと。つまり速度とは「1秒あたりにどれくらい位置が変化したかの割合」を表します。式で表すと図のようになります。

受験生の80%が間違える勘違いその2
良くある受験生の勘違いその2です。それは「速度」と「速さ」を混同してしまうこと。
速さ…速度の大きさ
「速さ=速度の大きさ」です。これ、変位と距離以上に間違いやすいので注意してください。例えば速度を聞かれているのであれば枕詞に「〇〇の向きに」と必ずつけないといけません(変位を答える場合も同じです)。
ベクトルを聞かれているときは必ず向きもセットで回答することを習慣付けて下さい。
加速度って?
加速度とは「1秒あたりにどれくらい速度が変化したかの割合」を表します。式で表すと図のようになります。

超重要な物理の基本:「正の向き」を決める
高校物理で絶対に忘れていけないのが、「ベクトルについて答えるときは必ず正の向きを決めること」です。ベクトルは向きと大きさで定義される量です。ですので「〇〇の向きに××の大きさ」という形で向きと大きさをセットで答えないといけません。
例えば、東に速さ9[m/s]で進む物体があるとしましょう。このとき、東を正とするか西を正とするかで答え方が図のように変わってきます。

問題文で正の向きが与えられている場合も多いですが、記述問題の場合は自分で正の向きを決めないといけない場合も多いのです。その場合は自分で正の向きを設定しないといけないので、「正の向きはどっちかな?」と意識することを習慣付けて下さい。
動画で「変位・速度・加速度」についてわかりやすく解説
今回の記事の内容についてはこちらの動画でも解説していますので、時間があればぜひご覧ください。
まとめ
- 変位とは「位置の変化の量」
- 速度とは「単位時間あたりの変位」
- 加速度とは「単位時間あたりの速度の変化」
- 物理でベクトルを考える時は「正の向き」を必ず決める。
初めて物理を勉強する人からするとちょっとややこしいかもしれないですね。
ですが、すべての問題の基本が今回の記事には書かれていますので、何度もじっくり読み返してマスターして下さい!
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