電磁気学を勉強し始めてから、
「電荷とか電気量とか、似た単語が多くて違いが分からん!」と感じる人は多いのではないのでしょうか?
本記事では、大学受験で物理を使う人向けに、電荷の基礎から一緒に出てくる単語の定義、電荷にまつわる例題を交えて分かりやすく解説していきます。
電磁気学が苦手な方はもちろん、理解を深め得点源にしていきたいと考えている人も是非参考にして下さい。
電荷とは何か?
- 電荷・・・正電荷と負電荷がある
- 引力・・・互いに引っ張り合う力
- 斥力・・・互いに反発しあう力
- 電荷の単位・・・クーロン[C]
- すべての物体の電気量は電気素量の整数倍
物体が帯びている「電気の量」を表し、すべての電気現象の根本となるものです。
物理的に電気のことを電荷と呼んでいる、と考えてくれたらいいでしょう。
電荷には正と負があり、それぞれを正電荷と負電荷といいます。

磁石と同様、同じ符号同士の電荷を近づけると、斥力という反発しあう力が電荷間ではたらきます。
逆に、異なる符号同士の電荷を近づけると、引力という引きあう力が電荷間ではたらきます。

電荷の量(電気量)の単位はクーロン[C]で表し、よく用いられる量記号はqやQで表されます。
単位と間違えないように気を付けましょう。
ちなみに1Cは「1Aの電流が流れているとき、1秒間に同線の断面を通過する電気量」と定められています。
電気量には電気素量と呼ばれる、正電荷の陽子と負電荷の電子が持つ
電荷の絶対値があり、e で表されます。
陽子1個の電気量は e [C] であり、電子1個の電気量は – e [C] です。
すべての物体の電気量は電気素量の整数倍となっています。
覚えておきたい単語
電荷について学んでいる時、よく目にする単語が出てきます。
一緒に確認しておきましょう。
帯電とは?
帯電について
- 帯電・・・物体が電気を帯びること
- 帯電体・・・帯電した物体
- 荷電粒子・・・帯電した粒子
- 点電荷・・・大きさが無視できるほどの小さな帯電体
電磁気学では、「正負の符号」による減点が多くみられます。
この記事を読んでいる方も注意してください。
例えば、よく問題文に、「帯電された一様なストローに...」といった分がありますが、この時に「正の電荷と負の電荷がどちらに帯電しているか」に注意を払って問題文を読み進めましょう。
導体と不導体(絶縁体)
意味は以下の通りです。
- 導体・・・電気をと通しやすい物質
- 不導体(絶縁体)・・・電気を通しにくい、または通さない物質
- 半導体・・・導体と不導体の中間の性質をもつ物質
具体例としては、導体になるのはアルミニウムや鉄、ステンレスなどの金属。一方、絶縁体は、プラスチックやビニール、ガラスなどが挙げられます。
ここで、導体がなぜ電気を通しやすいかというと、自由電子が導体の中に入ると、物質内にある電子を他のところへ移動させ、どかされた電子は他の電子を押しのけようとするからです。
このように、電子の入れ替わりが物質の中で頻繁に行われることで、導体は電気を通しやすくなります。
電気量保存の法則
電荷というものは、消滅したり、何もないところから生まれたりすることはありません。
電荷間でやり取りされるとき、その前後で電荷の量(電気量)の総和は変わりません。
このことを電気量保存の法則といいます。

電荷を用いた例題
[C]および、
[C]の電荷をそれぞれ蓄えている大きさの無視できる2つの小さい金属球を接触させるとき、それぞれの持つ電荷の量を求めよ。
例題の解答
2つの金属球を接触させると、電荷は移動しますが、「電荷の総和は変化しません」。
接触した後は、2つの金属の電荷は等しくなるので、
となります。
まとめ
電荷・・・物体が帯びている「電気の量」
電荷の量(電気量)の単位はクーロン[C]で表し、よく用いられる記号はqやQ。
- 帯電・・・物体が電気を帯びること
- 帯電体・・・帯電した物体
- 荷電粒子・・・帯電した粒子
- 点電荷・・・大きさが無視できるほど小さい帯電体
- 導体・・・電気を通しやすい物質
- 不導体(絶縁体)・・・電気を通しにくい、あるいは通さない物質
- 半導体・・・導体と不導体の中間の性質を持つ物質
- 電気量保存の法則・・・電荷間でやり取りされるとき、その前後で電荷の量(電気量)の総和は変化しない法則
電荷についてまとめていきました。
電磁気学の基礎的な考え方にもなりますので、きちんと整理して覚えて、解けるように何度も繰り返し練習するようにしましょう。
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