この記事では力学エネルギーの中の「弾性力による位置エネルギー」について解説していきます。
重力による位置エネルギーと合わせて力学で学ぶのが「バネの持つ位置エネルギー」です。
- 運動エネルギー
- 重力による位置エネルギー
- 弾性力による位置エネルギー
この3つの性質をワンセットで覚えることが、仕事の分野の問題をスムーズに解く上で非常に重要になってきます。
- これから物理を学ぶ高校生
- 物理を得点源にしたい受験生
に向けて、できるだけ噛み砕いてわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後まで楽しんで学んでいきましょう!
また、本記事を読み終わった後には重力による位置エネルギーの記事も合わせて読んでみて下さい。理解度が深まるはずです!
目次
伸ばした(縮めた)バネにはエネルギーがある
バネを思い切り伸ばして離すと勢いよく縮まります。反対に、縮めたバネを離すと、びよーん、と勢いよく飛んでいきます。
このようにバネにはほかの物体を移動させたり変形したりする能力を持っています。仕事の記事でも解説したように、エネルギーとは「物体が持つ仕事をする能力のこと」です。
伸ばしたり縮めたりしたバネは仕事をする能力を持っている、つまり何かしらのエネルギーを持っているということです。バネが持つエネルギーを弾性力による位置エネルギーと呼びます。
重力による位置エネルギーは(重力×高さ)の公式で表すことができましたが、弾性力による位置エネルギーは重力による位置エネルギーのように単純に「力×変位」の形で表すことができません。
なぜならフックの法則で学んだように、バネの弾性力は伸ばす(縮める)ほど強くなるからです。重力の場合は常に力の大きさが一定なのでシンプルな公式になりましたが、弾性力による位置エネルギーの場合はどうなるのでしょうか?
弾性力による位置エネルギーの公式
弾性力による位置エネルギーの公式がこちら。
やはり重力による位置エネルギーの公式とは式の形が違いますね。なぜこの公式が導き出されるのか?について考えてみましょう。
公式の導出:F-xグラフの面積が弾性力の位置エネルギーになる
弾性力による位置エネルギーの公式を理解するためには縦軸に力の大きさ、横軸に変位をまとめたF-xグラフを書いてみるのが一番手っ取り早いです。
バネの弾性力はフックの法則から傾きがバネ定数の一次関数のグラフになります。
このグラフのグラフとx軸で囲まれた直角三角形の面積が、弾性力による位置エネルギーの値に等しくなります。仕事の大きさは「力×変位」で表せることからも、直感的に理解できますよね。

面積を導き出してみると・・・
これで弾性力による位置エネルギーの公式が導き出されましたね。
弾性力による位置エネルギーは必ず基準面を決めよう
重力による位置エネルギーの記事でも学んだように、位置エネルギーを考える場合は必ず基準面を決めないといけません。バネの伸び(縮み)の長さによって位置エネルギーが変わるので、基準面によってエネルギーの大きさが変わってしまうためです。
重力による位置エネルギーの場合は問題の条件によって基準面の決め方が変わってしまいましたが、弾性力による位置エネルギーの場合は「バネの自然長」を基準面にするのを基本にしましょう。
バネの自然長を基準にすると「位置エネルギーが0のとき、弾性力も0」の状態になるので、計算がシンプルになります。もちろん自然長以外を基準にした方が良いケースもありますが、基本は自然長を基準面として弾性力による位置エネルギーを設定しましょう。
基準面はバネの自然長に設定するのが基本
まとめ
弾性力による位置エネルギーについて理解できましたか?
しっかりと理解できるまで繰り返し記事を読み込んでください。読み込んで理解できたら、知識を定着させるために問題集などで例題も解いてみましょう。
また、今回学んだことの理解度を深めるために、以下の関連記事も合わせて読んでみて下さい。
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では、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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