この記事では力学の基本的な性質である「力のつりあい」について解説していきます。
力のつりあいは力学の根本となる考え方です。この理解が不十分だと、力学全般で苦労してしまうのでしっかり学習しましょう。
- これから物理を学ぶ高校生
- 物理を得点源にしたい受験生
に向けて、できるだけ噛み砕いてわかりやすく解説していきますので、ぜひ最後まで楽しんで読んでください。
力のつりあいってなに?
力がつりあっている状態とはどんな状態でしょうか?
例えば画像のように物体に働く合力に、大きさが同じで向きが逆のベクトルで表される力
が働くと、物体に働く合力が0になります。
この時、物体に作用する力が実質かかっていないことになるので、物体は静止します。

力のつりあいには2つの条件があり、それらを満たした時だけ物体は静止した状態を保ちます。その2つの条件とはこちら。
条件2:働く力の作用線が同一直線上
それぞれの条件がどんな状態か、詳しく解説していきます。
力のつりあいの条件1:合力が0
まず1つ目の条件「合力が0」ですが、向きが逆で大きさが同じ力を合成すると、力のつりあいが取れた状態になります。
例えば画像のような物体に大きさが同じで向きが逆の力が働いた時、差し引きして物体に働く力は0になります。

力が働かない限り物体は動かないので、この状態での物体は静止したままです。
力のつりあいの条件2:力の作用線が同一直線上
2つめの条件が「力の作用線が同一直線上」であるということです。
例えば1つ目の条件の例で働く力が画像のように働いていたとしましょう。

画像の状態だと物体に働く力の作用線がずれていますよね。この状態で力が働くと、つりあいが取れる状態(=作用線が一致する状態)になるまで物体はクルンと回転してしまいます。

試しに手元にある適当なモノの2箇所に糸をくくりつけて、画像と同じように引っ張ってみてください。つりあいが取れた状態になると糸が一直線にピンと張った状態になると思います。
「なぜ物体が回転してしまうか?」については力のモーメントが関連しています。力のモーメントについては以下の記事で詳しく解説していますから、合わせて参考にしてみてください。
【合わせて読みたい】
力のモーメントってなに?わかりやすく解説してみた
まとめ
では最後にもう一度、力のつりあいの条件についてまとめておきます。
条件2:働く力の作用線が同一直線上
力のつりあいは力学の分野の中でも基本中の基本ですから、しっかりと理解できるまで繰り返し記事を読み込んでください。読み込んで理解できたら、知識を定着させるために問題集などで例題も解いてみましょう。
では、最後まで読んでいただきありがとうございました!
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