高校物理の定期テストの得点は気にしなくてOKという話



物理が苦手な高校生は多いですが、そんな生徒にとっての鬼門が定期テストです。

定期テストと聞くだけで頭が痛くなる生徒もいると思いますが、大学合格を最終ゴールとした時、定期テストはどんな考えで取り組むと良いのでしょうか?

元予備校講師の観点から定期テストにどうやって取り組むべきか?わかりやすく解説していきたいと思います。



ぶっちゃけ物理の定期テストは失敗しても大丈夫

まず結論から。ぶっちゃけた話、物理の定期テストは多少得点が低くても全く気にしなくて OKです。極論、赤点でもあまり関係ありません。

なぜなら高校生(受験生)の目的は定期テストで良い点を取ることではなく「大学に合格すること」だからです。

当ブログを読んでいる高校生は、一般受験での合格を目指している人がほとんどです。終わりよければ全て良し。最終的に成績を伸ばして合格さえできていれば良いですから、定期テストの得点があまり良くなくても気にする必要はありません。

ただし当然ですが指定校推薦での合格を狙っているのであれば話は別です。指定校推薦の場合は学校の成績が大きく関わってきますから、物理も当然ある程度の得点が取れていないといけません。

・・・といっても指定校推薦の場合は総合的な成績で合否を決める場合がほとんどですから、多少物理の成績が悪くても他の科目でカバーできれば問題ないでしょう。

物理の定期テストの得点は気にしなくて良い理由

高校物理の定期テストの得点をあまり気にする必要はない理由は3つあります。こちらです。

理由1:物理は後から成績が伸びてくる
理由2:高校の指導要領がそもそも非効率
理由3:定期テストは本質的な解説を求める問題が少ない

理由1:物理は後から一気に成績が伸びてくる

まず1つめの理由として「物理の成績は後から一気に伸びる」ということ。

例えば数学の場合、数列や確率、三角関数などの1つ1つの単元を丁寧にこなせばそれぞれの基礎問題は解けるようになると思いますが、物理の場合は少し違います。

高校物理の場合は「力学・熱力学・電磁気学・波動・原子物理学」の大きく5つを学んでいきますが、それぞれのパートの知識を理解度が深まると他のパートがわかるようになる構成になっています。

力学が苦手な人は熱力学も苦手な場合が多いですし、原子物理学は電磁気と波動の知識を使って考えるので、どちらかが抜けていると問題が解けません。

それぞれのパートで学ぶ内容が複雑に絡み合っているので「力学ができるようになったら急に熱力学も簡単に解けるようになった!」という状況が良く起こります。そのため基本的に物理の成績が上がり始めるのは高校生活の後半になってからと考えて良いです。

タロンの質問相談LINEで連絡してくれる生徒も「ある日急に物理がわかるようになって得点が取れるようになった!」という経験を話してくれる人が多いですね。

定期テストの範囲はそもそも物理という科目の一部分でしかないですから、そこで得点が取れなくてもあまり問題ありません。基礎をじっくり磨いて勉強をできていれば、高2の終わりか高3あたりから一気に成績が伸びるので安心してください。

理由2:高校の指導要領がそもそも非効率

2つめの理由が「高校の指導要領がそもそも非効率」であること。

高校物理は

  • 物理基礎
  • 物理

の2つの教科書を使って学んでいきます。多くの高校が高1で「物理基礎」を学び高2と高3で「物理」を学ぶ流れになっています。

でもこれ、正直なところ物理の勉強手順としてはめちゃくちゃ効率が悪いです。なぜなら「関連度の高い単元を2つの教科書でわざわざ分割して解説する構成」になっているからです。

例えば物理基礎で学ぶ「等速直線運動」と「投げ上げ」という運動があります。これら2つの運動を応用した「斜方投射」という運動があるのですが、斜方投射はなぜか物理で学ぶカリキュラムになっているのです。

明らかに等速直線運動と投げ上げを学んだ後に斜方投射を学ぶ方が効率良さそうですよね?でもなぜか別の教科書で学ぶ構成になっています。これでは下手をすると基礎を勉強してから応用を学ぶまでに1年以上の遅れが出てしまいます。

他にも関連項目がなぜか別々の教科書に分けられている例がいくつもあります。「文部科学省のお偉いさんはなんでこんな効率の悪い勉強をさせようとするんだろう?」と昔から疑問なんですが、一向に変わりません。

そもそも国が決めた勉強手順が効率の悪いものなのだから、物理が苦手になる生徒が増えても仕方ないですよね。

定期テストの場合は教科書ごとに決まった単元が出題されるはずなので仕方ありませんが、受験勉強に限った話で言えばそれぞれの教科書をどちらも平行して使いながら、関連する単元を勉強する方が圧倒的に効率が良いです。

具体的には「物理基礎→物理」の順番で勉強するのではなく「力学・熱力学・電磁気学・波動・原子物理学」という分け方でそれぞれのパートを極めてから次に行くという勉強してください。力学を極めたら次は熱力学、という進め方で勉強すると物理は得意になります。

理由3:定期テストは本質的な解説を求める問題が少ない

3つめの理由が「定期テストは本質を求める問題が少ない」ことです。

定期テストは基本的な計算や公式を正しく使えるか?を求める問題が多く出題されますが、物理の場合は計算できるかどうか?はあまり重要ではありません。

それよりも公式の成り立ちを導き出したり原理を説明したりする記述式の問題が解けるかが重要になってくるのですが、定期テストではあまりその類の出題がされることはないです(もちろん通う高校のレベルにはよりますが。)。


定期テストに向けてどんな勉強が必要?

では定期テストに向けてどのような勉強をすれば良いのでしょうか?

①最低限、赤点は回避する

まず1つめ、最低限赤点は回避した方が良いです。

赤点を取ると補修や課題のようなペナルティが課せられることがあり、それらに時間を取られるとコスパが悪いです。親に成績を見られて怒られるのも、メンタル的によくないですからね(笑)

赤点を回避するには「赤点のボーダーを超えるだけの単元を勉強する」のがコツです。

例えば定期テストの出題範囲が以下のようなものだったとしましょう。

  • 円運動
  • 単振動
  • 熱力学第一法則
  • 気体の状態変化
  • ボイルシャルルの法則

この時赤点のボーダーが40点だとしたら、思い切って円運動と単振動の勉強に集中して他を切る勉強ができていれば40点は取れそうですよね。残りの3つの単元は採点後に勉強して完璧にするのでも、受験本番には十分間に合います。

②本質を徹底して学ぼう

2つ目に本質を徹底的に学びましょう。物理でいう本質とは

公式の導出過程
原理原則を記述して説明できるか?

といった内容です。物理の本質を捉える勉強法の話は以下の記事に詳しく書いているので、合わせて参考にしてください。

【合わせて読みたい】

③公式の丸暗記はNG

3つめのポイントは「公式の丸暗記はNG」です。

公式を覚えても物理の力はつきません。物理が得意になるにはいかに本質を捉えているか?が重要です。

なぜこの式が成り立つのか?
どうしてこの定理が使えるのか?

といった理由をいかに明快に伝えられるか?が重要なので、公式を丸暗記して計算ができても役に立ちませんし受験本番の問題は解けないです。

詳しくはこちらの記事を参考にしてみてください。

【合わせて読みたい】
高校物理の記述式問題対策!合格できる答案の書き方たった2つのポイント

受験本番を見据えた定期テスト対策を!

高校生はあくまで受験本番で問題が解ければ問題ありません。「定期テストの多少の失敗はOK」という割り切りも大切です。

正しい手順で勉強をすれば自然と物理の成績は伸びますから、あまり気にしすぎずに淡々と勉強を続けましょう。


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