圧力と浮力の関係わかりやすく解説



本記事では圧力と浮力の公式とその導出方法について極限までわかりやすく解説をしていきます。

もしあなたが今は物理を苦手だと思っていたとしても、確実に偏差値をアップさせるコツを伝授しますので最後までじっくり読んでください。



現象の本質を理解する=物理上達の近道

本題に入る前に、まずどうやったら物理が上達するのか?についてお話をしておきます。

僕のブログを読んでくれている読者さんなら耳にタコができるくらいこの話を読んでいる(日本語がおかしいかな?笑)とは思いますが、物理の偏差値をアップさせようとグーグルやヤフーで検索し、初めて僕のブログにたどり着いた物理を苦手と思っている読者さんもいると思うので、何度も繰り返しお伝えしようと思います。

物理とはそもそもどんな学問かというと、書いて字のごとく物事の理(ルール)を説明するための学問です。

物事や現象のルールを誰でもわかる言葉で説明してあげるのが物理の役割です。今回解説する圧力や浮力も「名前は聞いたことあるけどどんなものかは説明できない」という読者が大半だと思います。そういった物理現象を誰でもわかるように説明してあげるのが物理の役目なわけです。

物理がどうやって物事や現象を誰でもわかるように説明してあげるのかというと、「公式」というツールを使って数字や記号で説明してあげます。昔のえらい学者さんたちが、様々な実験や計算を繰り返してたどり着いた、どんな人でも物理現象を理解できるように生み出された物が公式という便利なツールです。

で、この話をすると大抵の物理がニガテな受験生は「はいはい公式ね〜また暗記すればいいんでしょ!」とか「えー公式覚えるの苦手だなー」なんてことを言い出します。あなたももしかしたらそんなイメージを物理に対して持っているかもしれないですね。

勘違いをしないで欲しいのが、実は物理で公式を暗記する必要はほとんどありません。むしろ「公式を暗記すれば物理の偏差値が上がる」なんてスタンスで勉強するのが一番キケンな勉強のやり方だったりします。

物理は圧倒的に暗記が少ない

理系の受験生の多くは、生物・化学・物理のいずれかの科目から、1つもしくは2つ科目を選択して大学受験に臨みます。で、この3科目の中でも物理という科目は圧倒的に暗記すべき事柄が少ないです。僕も生物と化学をそこまで専門的に勉強したわけではないのですが、体感的に物理で暗記すべき項目は他の2科目の10分の1以下だと思います。

なぜなら物理学の目的が物理現象を説明することだからです。公式を暗記することよりも、公式を使ってその物理現象がなぜ起こるのか、その物体がどう動くのかを説明することが重視されます。大学もそういった能力を求めるような問題を出題するわけです。

どんなに頭が良い人でも、一度覚えたことでも時間がたつと忘れるようにできています。暗記が多い科目だと覚えたことを忘れないように定期的に勉強を続けなければいけませんが、物理の場合は一度でも問題の解き方をマスターしてしまえばそこまでストイックな勉強を続けなくても偏差値60くらいであればキープできるようになります。そういう意味ではめちゃくちゃコスパが良い科目ですね。

暗記が少ない分、応用力が問われる

ただ、暗記が少ない分応用力をめちゃくちゃ問われます。物理現象を公式を使って説明するのが物理の役割であるため、問題に対し、いかに公式を使って解答を導けばいいかという応用力が必要になってくるわけです。

ですのでこれからお伝えする圧力や浮力の公式も、その公式を単に覚えるのではなく、どうやったら導き出せるか、その導出の過程を理解するのが公式を覚えることよりもずっと重要になってきます。

公式の導出を極めると応用力が身につく

もしあなたが今現在、物理学を難しいまたは苦手だと感じているのであれば、過去問を解いたり問題集を解くよりも教科書に乗っている公式を片っ端から記述式で導出する練習をすることをお勧めします。ただ式を並べるのではなく、なぜその式が成り立つのか、その理由と根拠まで含めて文章で記述しながら公式を導き出す練習です。

公式を導出する練習は物理学の本質にマッチした練習方法なので続ければ続けるほど応用力が身につきますし、公式の導出そのものを問題として出題する大学もあるほどです。

これから圧力と浮力についての解説を始めますが、ぜひ読み終わった後に本記事で解説する公式の導出過程をあなた自身でも再現できるように練習してみてください。ノートに書き出しても良いですし、物理が苦手な同級生に口頭で解説してあげるのも良いでしょう。そういった基礎的な練習の繰り返しが、物理をあなたの得点源に変えてくれるはずです。

圧力って何?

前置きが少々長くなりましたね。では圧力についての解説に移りましょう。

圧力という単語は高校物理に限らずいろんな場面で聴く単語だと思います。「圧力鍋」とか「プレッシャーを感じる」とかそんな使い方をされていますが、物理的な圧力の定義とはどんなものかあなたはわかりますか?

圧力の定義

まず圧力の定義から。圧力の定義とは以下の通りです。

圧力の定義
圧力とは単位面積当たりに垂直にかかる力のこと

圧力とは「単位面積あたりに垂直にかかる力のこと」を表します。ちなみに単位面責とは1[m^2]のこと。

例えば図のように面積S[m^2]のとある面に大きさF[N]の力がかかっているとき、その圧力p[N/m^2]は面積で力を割ったものに等しくなるので

p=\frac{F}{S}[N/m^2]

となります。

ちなみに一つ注意点として、圧力はベクトルではありません。力(ベクトル)を面積で割っているのでベクトルではないのか?と思う人もいると思いますが、圧力は向きを持たない物理量です。

液体が与える圧力

次に、液体が与える圧力について考えてみましょう。こちらは浮力の公式を導出するために必要な知識です。

ある密度\rho{[kg/m^3]}の液体が深さ\h[m]で与える圧力について考えます。画像のようにピンクで囲まれた、深さ\h[m]での底面積S[m^2]のある領域を切り取って考えます。

この時ピンクで囲まれた領域は体積Sh[m^3]の柱とみなすことができます。液体は静止状態にあるとしたとき、液体に働く重力と底面に働く力F[N]は力の釣り合いが取れていると考えることができます。よって底面に働く力F[N]を運動方程式から求めることができます。

F-\rho{S}{h}{g}=0

ここで\rho{S}{h}は液体の質量にあたります。上記の式を変形すると

F=\rho{S}{h}{g}

これによって、底面に働く力が求まりました。圧力の定義は単位面積あたりに垂直にかかる力ですので、あとは底面積で力Fを割ってあげればOKです。

p=\frac{\rho{S}{h}{g}}{S}=\rho{h}{g}}

これで液体が与える圧力が求まりました。

この公式を見てみると、変数(自由に代入できる数)は液体の深さだけです。これにより、液体が与える圧力は深さのみに依存することがわかります。海が深くなればなるほど圧力が強くなるのは一般知識として知っているかと思いますが、この式によって物理的にも証明がされましたね。


浮力って何?

では続いて浮力の公式の導出に移りましょう。上記で求めた液体の圧力の応用で、浮力の公式を求めることができます。

浮力の公式

浮力の公式は以下の通り。

浮力の公式
密度\rho{[kg/m^3]}の液体に体積V[m^3]の物体を沈めた時、物体に働く浮力の大きさはF[N]

F=\rho{V}{g}

浮力の公式を導出してみる

では公式の導出をしましょう。

画像のように、底面積S[m^2]高さH[m]の物体に働く圧力を考えます。この時物体の上面の深さh_1[m]と下面の深さh_1+H[m]に働く圧力をp_1p_2とすると、それぞれ液体の与える圧力の公式から圧力が以下のように求められます。

p_1=\rho{h_1}{g}
p_2=\rho({h_1}+H){g}

このとき「物体の側面に働く圧力はどうなん?」と思うかもしれませんが、圧力の性質を思い出すと、圧力は深さだけに依存するので水平方向の圧力は釣り合うことから無視することができます。

よって液体が物体に与える浮力は鉛直方向の力を差し引きすれば良いので、求めた圧力に面積をかけて

F=p_2S-p_1S=\rho{S}{H}g=\rho{V}g

これで浮力の公式を導くことができました。

動画で本記事についてわかりやすく解説

本記事についてはこちらの動画でも解説していますので、時間があればぜひご覧ください。

 

まとめ

今回は圧力と浮力の公式を導出してみましたがいかがですか?きちんと理解できましたか?

あとはこれらの公式を自力で導き出せるようになるまで練習あるのみです。

ぜひ何度も繰り返し練習をしてくださいね。

力学についてさらに詳しく勉強したい方は、こちらのまとめ記事をぜひ参考に↓↓↓

【力学についてもっと詳しく学ぶ】
力学の要点まとめ【物理の偏差値を上げる方法】

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